研究課題/領域番号 |
22K10397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
大野 裕美 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60639607)
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研究分担者 |
小松 弘和 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60336675)
蒔田 寛子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (10550254)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がんサポート / 相談支援連携 / ハイブリッド / 質保証 / 運用システム / オンライン / がんピアサポート / ハイブリッド型がん相談 |
研究開始時の研究の概要 |
ピアサポーターによる相談支援は、がん患者の療養生活を支えるうえで欠かせない存在として、いまや私から公まで幅広い活動がみられているが、活動の拡張に伴ってサポートの質に関する問題が顕在化してきた。その問題は、ピアサポートが体系化されていないことが最たる要因であり、体系化が急がれるところだが、新型コロナウイルスの影響で、これまでのような対面活動ができていない。そこで、本研究は、非対面活動を組み込んだピアサポート運用システムの構築によって、がん相談連携におけるピアサポート活動を体系化する。体系化によって、質を保証したがん相談連携システムの始動が可能になる。
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研究実績の概要 |
ピアサポートの具体的な現状と課題を把握するために、昨年度、実施したアンケート調査の結果をもとに、今年度は自治体、拠点病院、患者支援団体を対象にヒアリング調査を実施した。自治体3県、拠点病院4病院、患者支援団体2団体からの調査協力を得た。 結果、現状としては以下の5点が抽出され、①院内ピアサポートはコロナ禍で活動が制限された。②ピアサポーターを養成するための研修プログラムは、到達レベルの設定が難しく、プログラム内容に試行錯誤していた。③ピアサポーターの傾向として、高齢化と固定化がみられた。④院内ピアサポートの場である拠点病院は、患者会との関係構築を重視することが必然となったが、信頼関係の構築に難しさを感じていた。⑤行政の支援体制は拠点病院と患者会を結ぶ重要な役割を果たしていた。今後の課題は以下の3点が抽出された。①継続的に活動できるピアサポーターを養成する。②ポストコロナを見据えた院内ピアサポートのマネジメントシステムが不可欠である。③相談支援センターの業務の整理と人材の確保が必要である。 今回のヒアリング調査では、自治体-拠点病院-患者支援団体の連携が、院内ピアサポートを進めていくためには必然であることが明確となり、そのためのマネジメント機能の創設が求められることが明らかになった。次年度は、シンポジウム等を通じて、ハイドブリッド型ピアサポートの運用システムのフレームワークを検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りヒアリング調査は実施できたが、昨年度、実施したアンケート調査の開始が当初の予定より遅れたため、その後の計画も押され気味になり、論文投稿が、年度末、ギリギリになった。ただし、学会等での発表は行うことができており、また、ホームページ等でも概要は掲載することができたので、研究の成果報告はタイムリーに行えたと思われる。次年度は、ヒアリング調査結果の報告を学会、論文発表等で速やかに行い、広く社会に還元していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ、計画どおり進行しているので、当初の計画に基づいて進めていく。今年度の計画は、昨年度に実施したヒアリング調査結果の解析から、マネジメント機能が発揮されている好事例の機関に焦点をあてて、追跡調査も加える。そして、ハイブリッド型のシステム構築の具体的な方法を、海外の事例も参照しながら運用の仕組みを目指す。実践的な運用を検討するためにも、仮フレームワークを関係機関に提示し、コメント期間を設けて意見を集約し、最終的にピアサポートの運用の手引きを作成する。
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