研究課題/領域番号 |
22K10416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 貴範 九州大学, 大学病院, 講師 (00807381)
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研究分担者 |
野原 康伸 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特任准教授 (30624829)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
伊豆倉 理江子 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (80805292)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | クリニカルパス / 診療テキスト / DPCファイル / BERT / 診療記録 / Learning Health System / テキスト解析 |
研究開始時の研究の概要 |
医療リアルワールドデータ(RWD)の利活用について、国家レベルでその技術獲得を推進している。RWDのデータ源である電子カルテには、診療の重要情報が時間軸を追って記録されるが、利活用時には診療イベント間の関連や診療プロセスの把握は困難である。信頼のある解析結果を得るためには診療プロセスデータを効率よく収集しデータの構造化と標準化処理を経て、解析する必要がある。 本研究では、診療テキストを標準化医療データを保持するePath基盤に追加連携し、精緻な診療プロセス解析から臨床課題を抽出する。それをクリニカルパスの改訂による質の高いLearning Health Systemを実践する。
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研究実績の概要 |
リアルワールドデータのデータ源である電子カルテには、診療の重要情報が時間軸を追って記録されるものの、二次利活用時には診療目的・診療行為・患者状態の推移などの診療イベント間の関連や診療プロセスの把握は困難である。信頼のある解析結果を得るためには診療プロセスデータを効率よく収集し解析する必要があるが、それにはデータの構造化と標準化が必要である。本研究では、患者状態を含むデータとして診療テキストと、標準医療データのクリニカルパスとDPCファイルを対象として解析し、患者状態としてのデータ構造化と標準化を行い、臨床課題に対する診療プロセス解析を実施する。さらに、その解析結果をクリニカルパスを用いて医療現場へ還元し、その効果を確認する医療の継続的な改善サイクルのLearning Health Systemの実践を目的としている。 2022年度は、診療データを解析するための環境構築を中心に実施した。電子カルテシステム内に蓄積した診療テキストとクリニカルパス、DPCファイルのデータを出力し、データ構造やデータ属性について確認した。特にクリニカルパスは先行研究(2018ー2020年度のAMED事業)で構築した基盤にはクリニカルパスとDPCが格納されているため、連携を確認した。診療テキストの解析基盤として自然言語処理タスクで高い精度を示しているBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)の環境構築について整備を行なっている。 2023年度に予定している機械学習を用いた解析に向けて、解析環境を構築し解析手法を開発し、可能な範囲のデータでプレ解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
診療テキスト、クリニカルパスとDPCファイルのそれぞれのデータを対象としているが、診療報酬改定に伴うDPCファイルの変更などがありデータ構造の確認に時間を要した。 データ構造の確認が遅れたためBERTモデルの構築について影響が出ており、患者状態の項目と診療テキストの患者状態モデルの紐付けについて対応が遅れているが、次年度にリカバリができる範囲である。 一方で2023年度に予定している機械学習の解析環境の構築と解析手法の開発を行い、試験的に解析を先行している。
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今後の研究の推進方策 |
BERTを用いて診療テキストとクリニカルパス、DPCファイルの患者状態の患者状態コーパスを作成する。 患者状態コーパスにより、より精緻的な解析ができる。 高度な機械学習を用いて、臨床課題(課題例:長期在院、DPC出来高上位、合併症など)に対する特徴因子を抽出し、クリニカルパスの改定案を作成し、現場へフィードバックすることで医療の質向上につながる。
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