研究課題/領域番号 |
22K10428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
泉 良太 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (80436980)
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研究分担者 |
能登 真一 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00339954)
佐野 哲也 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 助教 (00436982)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ナッジ / 健康関連QOL / リハビリテーション / 医療経済学 / 効用値尺度 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、国内外においてナッジ(nudge)を活用した公共政策が実施されており、国内でもナッジ・ユニットが設立され、省エネなどの環境事業や大腸がんの受診率向上に導入されている。しかし、リハビリテーション医療分野での検証は実施されておらず、Health and Wellbeingの向上に寄与するナッジの現状についての調査を実施する必要がある。申請者はリハビリテーション医療分野でのナッジの効果検証に使用できるアウトカムである健康関連QOL尺度の調査は実施済みであり、本研究では、リハビリテーション医療分野におけるナッジの使用状況および種類を調査し、種類ごとの効果について、健康関連QOL尺度を用いて検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
今年度は58名のデータを分析した.対象は58名(女性32名),年齢76.8±10.4歳,初期評価から再評価までは29.7±6.1日であった.疾患については,脳血管疾患等が29名,運動器が29名であった.初期評価と再評価の比較では(初期評価/再評価),EQ-5D-5Lは,(0.44±0.27/0.63±0.29),FIM合計は,(59.2±25.4点/79.3±33.5点)であり,有意に向上した(p<0.01).使用したナッジの平均項目数は4.7±1.6個,使用の有無は11項目で各10~45個の範囲であった.EASTの4方針での使用頻度については有意な偏りがあり,Eの使用頻度が最も多かった(p<0.01).使用したナッジの平均項目数とQOL値の増分の相関については,有意な相関は認められなかった(r=0.50,p=0.09).疾患別に分析すると,使用したナッジの平均項目数は4.4/5.1個(脳血管/運動器),使用の割合で50%を超えた項目は,脳血管ではEの「メッセージの単純化」が75.9%,運動器ではEの「面倒な要因の減少」が55.2%,「メッセージの単純化」が79.3%,Aの「動機付け設定を行っている」が62.1%,Tの「事前に対処行動を決めるように促している」が62.1%であった.上記より,回復期リハビリテーション病棟では,EASTのすべての項目が使用されており,疾患により,ナッジの使用状況が異なることが明らかになった.使用頻度については,メッセージの単純化が多く,特に,専門職対一般の方という,専門分野特有のものであり,多くのOTが使用しているものと考えられる.また,使用したナッジの平均項目数とQOL値の増分の相関については有意ではなかったため,ナッジの使用数ではなく,適切なナッジを選択して使用することの重要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析は58例であるが,初期評価が完了したデータ数は,200を超えたため,6月までには,目標の280例に到達予定である.分析済みの58例については,国内学会および国際学会で発表予定である.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き6月までデータ収集を実施し,7月からはデータ入力・分析を実施し,論文を作成する.
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