研究課題/領域番号 |
22K10429
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤本 学 立命館大学, 教育開発推進機構, 教授 (00461468)
|
研究分担者 |
宮崎 浩彰 関西医科大学, 医学部, 教授 (30268370)
稲葉 一人 中京大学, 法務研究所, 特任研究員 (80309400)
島村 美香 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師 (80782713)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 医療者間の破壊的行動 / 医療の質・安全 / 医療コミュニケーション / 生起メカニズム / 破壊的行動 / 医療現場 / トレーニング / プログラム開発 / ノンテクニカルスキル |
研究開始時の研究の概要 |
米国では医療者間の対人関係や対人行動,組織内の心理的安全性を悪化させ,チーム医療を機能不全に陥れる「破壊的行動」は医療安全のリスクと見なされ,研究と対策が進んでいる。一方,日本では研究や組織的対策がほとんど行われていない。そこで,本研究は発生要因としてノンテクニカルスキルに照準し,日本の医療現場における破壊的行動の実態を解明した上で,破壊的行動の抑止に向けたトレーニングプログラムの開発を行う。
|
研究実績の概要 |
プロジェクトの初年度として、医療者の破壊的行動(Disruptive Clinician Behavior)への理解を深めるために、2000年以降に公開された破壊的行動に関する主な研究論文や雑誌記事をレビューし、現在までに明らかにされている知見と今後の研究課題について、総説の形式でまとめた。 さらに、トレーニングプログラムの開発に向け、破壊的行動の生起メカニズムに関する実地調査を企画し、実施に向けて取り組んでいる。今年度はコロナ禍における業務のひっ迫により、協力病院における審査がストップしていた。正常化後、ただちに実地調査を行うべく準備を進めている。 並行して、看護師に求められる医療コミュニケーションに関する調査を進めている。看護師に照準したのは、彼らは医療機関において医療従事者の半数以上を占められており、多くのケースで彼らが被害者または加害者になっているからである。先行するプロジェクトにより、破壊的行動は「心理的攻撃」「侮辱」「無視」「パラーハラスメント」「受動的攻撃」「身体的暴力」に分かれることが明らかになっている。これらのうち、前三者は対人コミュニケーション行動である。医療の質・安全に及ぼすコミュニケーションの影響については、多くの研究が指摘している。そのため、破壊的行動を回避する上で、「看護師に求められる医療コミュニケーションとは何か」を明らかにすることは重要な課題である。そこで、今年度は尺度開発のための項目を収集するために、全国の熟達看護師を対象にしたインターネット調査を実施し、87項目を得た。これらを用い、次年度は尺度開発のためのインターネット調査、および単一病院に勤務する看護師を対象とする実地調査を行うべく、準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トレーニングプログラムの開発に向け、文献レビューにより研究背景や課題を明確にするとともに、インターネット調査を活用しデータの収集を進めている。ただし、医療安全分野では単一の病院に勤務する医療者を対象とした実地調査による検証が重視されている。そのため、破壊的行動および医療コミュニケーションに関する実地調査を企画していたが、今年度は新型コロナの感染拡大による医療のひっ迫により、実施を見合わせざるを得なかった。以上により、計画に若干の遅れが生じていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度前半に破壊的行動および看護師の医療コミュニケーションに関する実地調査を実施し、基礎的なデータの収集を図る。並行して、医療者に破壊的行動とその影響を啓発する映像教材を開発するとともに、対面トレーニングのプログラム開発を進めていく。
|