研究課題/領域番号 |
22K10435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40514138)
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研究分担者 |
工藤 幸清 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10214967)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 職業被ばく / 放射線防護 / ピットフォール / 水晶体線量 / 散乱X線 / 線量評価 / 医療現場 / 職場環境 / 労働安全衛生 |
研究開始時の研究の概要 |
職業被ばくに係る眼の水晶体線量限度が引き下げられるなど、医療従事者の放射線防護はますます重要となっているが、医療従事者の被ばく管理は不適切であるという指摘は決して少なくはない。さらに、研究代表者らは、過去の研究活動の中で、放射線防護策・線量評価方法における盲点・欠点や被ばく管理での不適切な運用に付随的に遭遇した。本研究では、医療現場に潜在する医療従事者の放射線防護の問題点を網羅的に見出して検証を行い、その改善方法を提案する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、文献整理や学術集会への参加等により、解決すべき放射線防護における「ピットフォール」の洗い出しを継続して行うとともに、顕在化したピットフォールの解決策を検討した。 現在、職業被ばく管理における眼の水晶体防護の重要性がうたわれている。医療スタッフの水晶体線量は頸部に装着したバッジ式線量計によって推定されることが多いことは昨年度の報告のとおりであるが、今年度は、眼と頸部の高さの違いによる線量の違いを把握するために、透視装置を用いて床に垂直な面の空間線量評価を行った。その結果、オーバーテーブル式とアンダーテーブル式のどちらの場合も、眼に比べ頸部位置の線量は大きく、頸部に装着したバッジ式線量計による水晶体線量評価では、過大評価となる可能性が示された。また、放射線防護メガネによる遮蔽効果も考慮する必要があり、この点についても検討を行う必要がある。 加えて、昨年度明らかとなった患者以外から発生する散乱X線についても検証を行った。透視装置においては、X線管の可動絞りカバーからの散乱X線も無視できないものと考えられたため、当該カバーに対して自作の遮へい体を設置した状態での散乱X線測定を行った。遮へい体の設置によって、X線管付近の空間線量が低下したたけでなく、医療スタッフの眼の高さの空間線量も低下した。X線管カバーに対する対策の有用性が示唆されただけではなく、散乱X線の発生源に対する措置の重要性が改めて確認できたため、放射線防護メガネ等の個人防護具による防護策と併せて検討する必要があると考えられた。 さらに、水晶体等価線量限度の引き下げ後における職業被ばく管理の実態調査を行ったため、今後、調査結果の解析を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、ピットフォールの洗い出しや検証を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
放射線防護におけるピットフォールの洗い出しを継続的に行いながら、それぞれのピットフォールに対する検証や改善策の提案を行う。また、得られた知見については、研究成果の公表を積極的に行う。
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