研究課題/領域番号 |
22K10441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
今岡 慎太郎 鳥取大学, 医学部, 助教 (30881586)
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研究分担者 |
谷口 晋一 鳥取大学, 医学部, 教授 (30304207)
浜田 紀宏 鳥取大学, 医学部, 准教授 (30362883)
孫 大輔 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40637039)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 医師間の協働関係 / プライマリ・ケア / 血液疾患 / 病診連携 / 血液腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
がん診療は初診から治療終了まで複数の医師が関わる。患者はがん診療に「連続性」を求めており、そのためには医師の情報共有が重要であり、がん診療の中で医師が遭遇する様々な臨床疑問の共有を主目的としたツールが存在すればがん診療の向上に有用と考えられる。本研究では、研究代表者が専門とする血液腫瘍に重点を置いて、がん治療医およびプライマリケア医にがん診療における各医師の役割分担への意識についてのアンケート調査を行い、双方にとって共有のニーズが高い情報を明らかにし、がん治療医、プライマリケア医が診療の適切な連続性を保つための連携ツールの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度末に日本プライマリ・ケア連合学会のメーリングリストを用いて「プライマリ・ケア医が血液疾患患者を診療する際に抱える困難感・疑問」についてのアンケート調査を実施した。アンケートは記名式で、まずは卒後年数や年齢、性別、在宅診療の経験の有無について質問した。続いて勤務する医療施設の地理的環境について、勤務地の郵便番号を質問した。その後は血液疾患患者を血液内科医に紹介する際の疑問点・困難感、あるいは血液内科医から依頼を受けて患者のフォローを行う際の疑問点・困難感について自由記載形式を含んだ質問を行った。90名から回答があった。2023年度はそのアンケート結果の解析を行った。アンケート回答者の属性は記述統計的方法で解析し、自由記載形式の質問に対する回答はテーマ分析によって解析した。「血液疾患患者を血液内科医に紹介する際の疑問点・困難感」と「血液内科医から依頼を受けて患者のフォローを行う際の疑問点・困難感」の記載では、プライマリケア医の視点から、患者の状態があまり詳細に評価できていない段階で血液内科医に紹介・相談するときに、血液内科医側からネガティブな反応をされることへの不安感が散見された。医師間の心理的な障壁が、プライマリ・ケア医と血液内科医の適切な協働においてハードルとなる可能性が示唆された。これらの解析結果を、まずは2023年10月に東京で行われた日本血液学会(全国集会)でデジタルポスター発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画書ではウェブアンケート実施後に、回答者の中からさらに対象者を選んでインタビュー調査を行う予定としていたが、現在は上記のアンケートの解析結果を英語論文にする作業を行っている。これは研究実績の概要欄に記した「医師間の心理的な障壁が、プライマリ・ケア医と血液内科医の適切な協働においてハードルとなる可能性」が、報告すべき新規性を含んでいると考えたためである。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート結果の英語論文化を進め、英語雑誌に投稿する予定である。計画書に2024年度の計画として本研究課題をテーマとしたシンポジウムの開催を記載していたが、シンポジウムだと参加者が人数・地理的にも制限を受けるため、アンケート結果の英語論文雑誌への投稿によって、プライマリ・ケア医が血液内科医に患者を紹介・相談する際に心理的なハードルを感じている可能性を、メッセージとして広く発信したいと考えている。
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