研究課題/領域番号 |
22K10442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
村上 和司 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60575207)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 視線計測 / 循環器カテーテル手技 / 術者教育 / 視線計測法 / 循環器疾患 / カテーテル手技 / 冠動脈インターベンション / 安全性向上 / 循環器診療 |
研究開始時の研究の概要 |
循環器疾患に対するカテーテル手技は侵襲的な医療行為であり、まれに重篤な合併症を生じる。これらの手技を安全に実施するためには、視覚から得る情報の収集が特に重要と考えられる。視線計測法による分析は、合併症の回避や手技時間の短縮、成功率の向上など、さまざまな観点で貢献できる可能性がある。 本研究では、冠動脈造影および冠動脈インターベンションの術者を被検者として視線計測をおこない、注視位置や注視時間・回数、視線軌跡などを分析する。経験年数の異なる被検者でデータを収集し、状況認識の差異などを検討する。また、手技習得過程における視覚情報収集の重要性を明らかにし、術者教育の新たな方向性も確立したい。
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研究実績の概要 |
2022年度後半に冠動脈インターベンション実施患者で視線計測をおこなった結果、視線計測は可能であったが、記録時間によってはデータ記録・保存用の小型コンピューターのバッテリー容量が不十分である可能性もあったため、これらの状況の改善方法を検討しながら、2例目以降の視線計測を実施した。また、本研究で購入した視線計測機器は音声の記録機能がなく、データ収集後のふりかえり時に術者の発言などの音声情報が必要と考えられた。当初は、視線計測機器のオプション機能を購入して音声を記録することを検討したが、最終的には、新たにデジタルビデオカメラを購入し、手技の風景も録画することで、その動画および音声情報も利用して、データのふりかえりおよび分析をおこなうこととした。2023年度に実施した1例目の視線計測では、小型コンピューターの発熱にも注意して術者に携帯し、冠動脈インターベンション中の術者の視線計測をおこなった。しかし、小型コンピューターのバッテリー容量が不十分であったため、新たに購入したモバイルバッテリーをコンピューターに接続した状態で、3例目および4例目の患者の冠動脈インターベンション実施中の視線計測をおこなった。その結果、通常の手技時間の記録は可能であった。小数例の検討であるが、経験症例数の異なる術者において、ステント留置手技中のエックス線透視画像および術者の手元の注視時間と生体情報モニタの注視時間を分析した。ステント留置中などのエックス線透視画像および手元の注視時間の割合が特に多くなる場面では、術者が生体情報モニタを注視する時間はごく短時間に限られており、周りのメディカルスタッフによる情報収集と術者への伝達が重要であると考えられた。今後は、経験症例数の異なる術者における、手技全般における生体情報モニタなどの注視回数の比較や、各場面の注視方法の違いなどを分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、COVID19の流行も影響し、視線計測機器の購入にあたっては、機器の試用や発注および納品に時間を要した。また、清潔野で手技をおこなうカテーテル手技中に想定される状況への対応方法の検討にもやや時間を要したため、複数の症例でデータ収集をおこなうことができなかった。2023年度は、記録媒体の小型コンピューターのバッテリー容量や音声記録への対応もあり、視線計測を実施した症例数に影響した。また、患者および術者への倫理的思慮として難易度の高い症例は除外しているが、本院の冠動脈疾患患者は難易度の高度な症例の割合が非常に多く、本研究の対象となる症例が少ないことも影響し、実施症例数が想定よりも少数となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの検討により視線計測方法は確立することができているため、2024年度は、ひきつづき研究の対象となる患者を選択し、視線情報の収集をおこなう。また、データ収集後の分析および解釈については未知な部分が多く、多角的に検討する必要があるものと考えられる。よって、これまで収集したデータについても再度詳細にふりかえり、追加の症例数を確保しつつ、本研究の方向性を確立したい。
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