研究課題/領域番号 |
22K10456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
久徳 弓子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80368620)
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研究分担者 |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 学長 (00240713)
三原 雅史 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80513150)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者運転 / 神経心理検査 / 脳機能イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の認知機能低下は自動車事故のリスクを高め、認知機能低下高齢者への運転可否は社会的にも大きな問題となっているが、軽度認知障害を含めた認知機能低下患者の運転可否の判断基準について明確な基準は策定されておらず、より客観的で制度の高い評価指標の確立が求められている。本研究では、我々の行なっているもの忘れ外来・運転免許外来患者を対象として、臨床指標や神経心理検査結果などの従来の指標に加え、画像検査や近赤外分光装置(NIRS)などを用いた脳活動評価を行う。軽微な違反や事故歴などとの関連を検討することによって、認知機能低下患者における安全運転能力の客観的評価指標としての有用性を検証したいと考えている。
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研究実績の概要 |
認知機能低下高齢者の運転可否は社会的にも大きな問題となっているが、この判断基準について明確な基準は策定されておらず、より客観的で制度の高い評価指標の確立が求められている。 本研究では、もの忘れ外来・運転免許外来患者を対象として、臨床指標や神経心理検査結果、画像検査や近赤外分光装置などを用いた脳活動評価を行うことを目的としている。 現時点では、422人(男性176人、平均年齢77.5歳)の患者基本情報、身体機能評価、神経心理検査評価、心電図、脳波検査、頭部MRI、123I-IMP脳血流SPECT結果をデータベース化し、このうち10名については運転シミュレーター検査を実施した。 運転シミュレーター検査を実施したMCI患者は8例(男性5人、平均年齢 77.1±1.6歳)であった。受診動機は公安からの紹介4名、近医からの紹介3名、自分で心配1名であった。7人は毎日運転し5人は配偶者との2人暮らしで生活に運転が必須と訴えたが3人は違反/事故歴あり。神経心理検査ではHDS-R 21.6/30±6.9、CDR 0.5±0.0、Kohs IQ 72.5±8.9、TMT-J A 74.6±26.4s、TMT-J B 167.4±62.1sと認知機能低下は軽度であったが注意/視覚情報処理、遂行機能低下あり。MMSE-J下位項目の正答率では、失見当や遅延再生の減点にくわえ、serial 7、書字の減点が目立った。頭部MRIでは脳萎縮 5人、脳血流SPECTでは明らかなADパターンなし。運転シミュレーターでは同年代同等であったがルールの理解に時間がかかり複数作業での誤反応が目立った。6人は半年後に再診し全例認知機能は改善した。 今後はさらに症例数を蓄積し、軽微な違反や事故歴などとの関連を検討することによって、認知機能低下患者における安全運転能力の客観的評価指標としての有用性を検証したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、もの忘れ外来・運転免許外来患者を対象として、臨床指標や神経心理検査結果、画像検査や近赤外分光装置などを用いた脳活動評価を行うことを目的としている。現時点では422人(男性176人、平均年齢77.5歳)の患者基本情報、身体機能評価、神経心理検査評価、心電図、脳波検査、頭部MRI、123I-IMP脳血流SPECT結果をデータベース化しており、患者登録数は順調に増えてきているが、各種検査についての患者の希望、機械とマンパワーの問題などから、運転シミュレーター検査の実施は10名、近赤外分光装置を用いた脳活動評価の実施は0名であり、進捗状況としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
診察時、検査時にそれぞれ本研究について説明し、各種検査を行う日時の確保を強化することで、今後はさらに症例数を蓄積し、患者本人のみでなく家族にも詳細な質問票を用いてアンケート調査を行うことで日常生活における家族目線からの自動車運転におけるヒヤリハット場面についての情報を収集することで、軽微な違反や事故歴などとの関連を検討することによって、認知機能低下患者における安全運転能力の客観的評価指標としての有用性を検証したいと考えている。
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