研究課題/領域番号 |
22K10458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
高橋 かおる 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (50444609)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ストレスチェック / 特定健康診査 / 機械学習 / 生活習慣病 / 健康診断 |
研究開始時の研究の概要 |
健診機関で実施した職業性ストレスチェック結果、特定健康診査の検査および問診回答結果、その他健康診断の検査および問診回答結果を経年的に組み合わせて、職業性ストレスチェックの結果から将来の生活習慣病発症やその重症化、改善を予測するモデルを構築する。 モデルの開発には、従来からの古典的統計手法と機械学習の2者を用いる予定である。両者の予測精度を比較することにより、より精度の高いモデルを確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度には、2016年度から2020年度に一健診機関で実施したストレスチェックと特定健診のデータを収集した。糖尿病発症の定義は、HbA1c>=6.5%もしくは特定健診問診票で糖尿病服薬のチェックが入っている、除外基準は2016年度糖尿病発症、2017-2020年度に一度もHbA1cを測定していない、とした。その結果、14,996名(平均年齢49.4歳、男性46.8%、平均BMI 22.7kg/m2、平均追跡日数1252日)のコホートを作成することができた。 このコホートを基に、現在研究課題に着手中である。現時点までに、コホートを以下の5つの分類モデルに分けて、ランダムフォレストを用いた機械学習で5年間の糖尿病発症を予測し、予測精度を比較した。1)基本(年齢、性、BMI)、2)基本+血圧、3) 基本+血液検査(9項目:HbA1c, AST, ALT, GGT, LDL-C, HDL-C, TG, Cr, UA)、4)基本+血圧・問診(12項目)、5) 基本+血圧・問診・ストレスチェック(57項目)。学習データを70%、テストデータを30%とした。機械学習はR言語を用いて、Accuracy(正解率)、AUC(ROC曲線下面積)などの評価指標を算出した。その結果、3) 基本+血液検査(9項目)の指標が最も良好であった。ストレスチェックや特定健診の問診では糖尿病発症予測の良好な結果は現時点では得られていない。 健康診断を受診し、その結果がまだ出ていない段階での保健指導や栄養指導においても、手元にある前回の血液検査結果や今回の基本的な健診項目の結果から、ある程度の糖尿病発症予測が可能であり、有効な指導に繋がることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度から2020年度までのストレスチェックおよび特定健康診査の結果を取得し、データの解析に着手している。現時点までにわかったことについて、第66回日本糖尿病学会年次学術集会で口演報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で得られている機械学習の各種評価指標にまだ改善の余地があると考えており、その改善のために分類モデルや機械学習の方法を再検討していく。 具体的には、関連する先行研究を熟読し、現時点でわかっていることとわかっていないことを明確にする。それを基に仮説を立案し、仮説の合否の判断基準も事前に決めておく。また、現在男女を一緒にしたコホートで解析や機械学習を実施しているが、男女別に解析、機械学習を実施する。そして、過学習や、糖尿病発症率が低いことから生じていると思われるデータの不均衡問題を改善すべく分類モデルの再構築や、現在採用しているランダムフォレストの内容を精査し、ランダムフォレスト以外の手法も含め、本研究のコホートに最適な手法の選択を目指す。
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