研究課題/領域番号 |
22K10464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
横山 宏樹 滋賀医科大学, 医学部, 客員講師 (80220573)
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研究分担者 |
荒木 信一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80378455)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖尿病 / 糖尿病性腎臓病 / 生命予後 / 心血管疾患予後 / 腎機能予後 / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者の予後改善のためには、血管合併症の克服と健康寿命の改善が大きな医療課題である。 糖尿病データマネージメント研究会(JDDM)では、血管合併症の発症率と生命予後を追跡するコホート研究を行っている。 2004年に第一次コホートを、また異なる患者により2014年には第二次コホートを立ち上げて追跡中である。この時代背景が10年異なる2つの前向きコホート研究を比較し、時代変遷に伴うわが国の糖尿病診療・治療成績の推移、生命予後への影響、血管合併症リスク因子の変化を明らかにする。
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研究実績の概要 |
糖尿病データマネージメント研究会(JDDM)の中で、通院中の20~70歳の糖尿病患者を対象に同じ組み入れ基準のもとで重複を避けて、第一次コホートを2004 ~2005年に、第二次コホートを2013~2014 年に立ち上げ、生命予後と心血管疾患発症有無の追跡調査を施行中である。本研究は、時代背景が10 年異なるこれら2つのコホート研究での各10 年間の長期追跡調査のデータを比較することで、この10 年間の糖尿病診療の違いが、糖尿病患者の累積死亡率、累積心血管疾患発症率、腎機能低下速度に与える影響を明らかにすることを目的としている。 またこれらの研究を更に進展する目的で、同じ組み入れ基準で新たな第三次コホートの設立へ向けて研究計画書を作成している。研究計画書は、JDDM研究会におけるプロトコール委員会、倫理委員会へ提出され、承認を受けた。これを基にJDDM研究会において各施設に研究への参加・協力の依頼を起こし、対象者の同意の取得が開始されている。 2022年12月に金沢で開催された第33回日本糖尿病性腎症研究会のワークショップにおいて、“JDDMデータを中心としたコホート研究の知見”として、10 年間の糖尿病診療の違いを中心に発表を行った。また、2023年3月に東京で開催された第57回糖尿病学の進歩のシンポジウムにおいて、“本邦のリアルワールド研究JDDMからみる糖尿病患者の心・腎合併症” として、第一次コホートの10年追跡調査に基づく糖尿病患者の死亡率・累積心血管疾患発症率・腎機能低下速度を示し、これらに及ぼす危険因子の解析結果に関して発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二次コホートの第3次追跡調査(2019~2020年におけるイベント発症有無の収集)結果のイベント判定委員会が、2021年12月に行われた。この結果を基に、第二次コホート対象者の観察開始から6~8年までの生死・心血管疾患発症有無をデータベースへ入力し、データの整理(確認、層別化)を行っている。 上記を踏まえて、第一次コホートと第二次コホートの間で観察開始から8年間の生命予後と心血管疾患発症率を比較できるデータベースを作成し、解析を進め、論文化を進めている。 また、追跡のエンドポイントであるイベント発生(死亡、心血管疾患発症)が明らかになる中で、観察期間中の血糖コントロールや血圧値、脂質値、腎機能検査値、尿アルブミン値や使用薬剤に関するデータは、まだ取得されていない。JDDMデータセンターへこれらの抽出の依頼を起こし、入手後にこれらのデータの整理や層別化を経て、解析を進める予定である。 新たな第三次コホートの設立へ向けて、JDDM各施設において対象者の同意の取得を開始している。この詳細な打ち合わせの目的で2022年11月に横浜においてミーテイングを行った。2023年3月に開催された第41回糖尿病データマネジメント研究会において、目標対象例数5,000例の中で1,288例まで取得できている現況を報告した。残り3,722例の取得へ向けて、各施設への依頼、各施設からの報告の収集を日々進めている。
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今後の研究の推進方策 |
設立年が10年異なる第一次コホートと第二次コホートの間で生命予後と心血管疾患発症率に差異が生じているか、解析を進め、論文化を行う。また、観察期間中の血糖コントロールや血圧値、脂質値、腎機能検査値、尿アルブミン値や使用薬剤に、どのような差異が認められるかを、明らかにする。 また第三次コホートの設立を目指す。第一次・第二次コホートと並ぶ十分な対象者数を取得できるかが大きな課題ではある。設立できれば、第三次コホートの対象者が、第一次・第二次コホートの対象者に比べて、登録時の臨床的特徴にどのような差異を認めるかを解析し、論文化を検討していく
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