研究課題/領域番号 |
22K10494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 麻布大学 (2023) 藤田医科大学 (2022) |
研究代表者 |
宗綱 栄二 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (30600431)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | オルガノイド / フルクトース / 栄養 / iPS |
研究開始時の研究の概要 |
栄養因子による疾患発症の分子機構として,塩基配列の変化によらないエピゲノム変化の関与が注目されている。しかし多くの研究は、病気になった組織での解析であり、病気が起きた結果を見ているにすぎない。そこで本研究では、栄養要因によって生じる疾患発症の、ごく初期のエピゲノム変化の役割を明らかにする。ヒトiPS-オルガノイドという従来の栄養学分野には無い手法を用いて、ヒト代謝系におけるフルクトースの悪影響を解析する。
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研究実績の概要 |
フルクトースは天然甘味料として清涼飲料水や加工食品に広く使用されている。ここ数十年で消費量は飛躍的に増加し、代謝疾患の発症要因になることが指摘さ れている。しかし、その詳細な分子機構については不明な点が多く、予防や治療の観点から解明が強く求められている。 近年、栄養因子による疾患発症の分子機構として,塩基配列の変化によらないエピゲノム変化(DNAメチル化やヒストン修飾など)の関与が注目されている。申 請者もフルクトースの悪影響について、エピゲノムの視点からアプローチしてきた。そして、肝臓における代謝異常について、脂肪酸異化作用を担う遺伝子に DNAメチル化異常を報告してきた。 しかし、これら結果は、フルクトース暴露により病気になった組織での解析であり、病気が起きた結果を見ているにすぎない。つまり、病気を形成していく過程 において、DNAのメチル化の役割は不明である。正しく発症の分子機構を解明するには、病気になってから組織を研究するのではなく、正常な組織が変化してい くメカニズムを研究する必要がある。そこで本研究ではオルガノイドを用いる。 2023年度は、昨年度の研究で課題となっていたオルガノイド形成の安定性が向上した。この改善により、より一貫した実験結果を得ることが可能となった。そしてオルガノイドを用いて、フルクトースが脂質代謝遺伝子に与える影響を詳細に解析した。実験では、フルクトースをオルガノイドに添加し、一定期間後に遺伝子発現を観察した。特に、脂質代謝に関連する遺伝子群に注目した。今後は、エピゲノム異常を中心に解析する予定である。そして、これらの発見を基にさらなるメカニズムの解明を進め、フルクトースによる代謝疾患の予防や治療に向けた新たなアプローチの開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の課題が克服され安定して結果が得られるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、エピゲノムの変化に焦点を当てた解析を中心に進める予定である。特に、DNAメチル化の動態を詳細に調べることで、フルクトースが代謝疾患を引き起こす具体的なメカニズムを解明することを目指す。このアプローチにより、フルクトース摂取による健康影響をより深く理解し、効果的な予防策や治療法の開発に繋げていきたいと考えている。
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