研究課題/領域番号 |
22K10495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
正木 秀幸 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (90247982)
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研究分担者 |
芦田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
東 慶直 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90333509)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ジカウイルス / 粘膜ワクチン / コレラトキシンB / 乳酸菌 / 酵母菌 |
研究開始時の研究の概要 |
フラビウイルス属のヒト感染性ウイルスであるジカウイルスは、性感染症の側面や催奇形性など他のフラビウイルス属とは異なる特性を持ち、流行地域に小頭症児の出生が多発するもワクチンは未開発である。コールドチェーン不要など発展途上国でのワクチン接種に有利、かつ生殖器などの粘膜に強い免疫を誘導する粘膜ワクチンの特質に着目して、経口粘膜ワクチン抗原として用いる目的で強力かつ安全性の高い粘膜アジュバントであるコレラトキシンBと防御誘導性蛋白質であるZIKVのエンベロープ(E)蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌及び酵母菌を樹立、それらを腸溶化し実験動物に投与して、より有効な防御粘膜免疫が得られるか検討する。
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研究実績の概要 |
フラビウイルス属のヒト感染性ウイルスであるジカウイルス(ZIKV)は、性感染症の側面や催奇形性など他のフラビウイルス属とは異なる特性を持ち、流行地域に小頭症児の出生が多発するもワクチンは未開発である。コールドチェーン不要など発展途上国でのワクチン接種に有利、かつ生殖器などの粘膜に強い免疫を誘導する粘膜ワクチンの特質に着目して、経口粘膜ワクチン抗原として用いる目的で強力かつ安全性の高い粘膜アジュバントであるコレラトキシンB(CTB)と防御誘導性蛋白質であるZIKVのエンベロープ(E)蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌及び酵母菌を樹立し実験動物に投与して、より有効な防御粘膜免疫が得られるか検討する。以上の目的のため、(1)CTB-ZIKVE融合蛋白質菌体表面発現乳酸菌株の樹立、および(2)CTB-ZIKVE融合蛋白質菌体表面発現酵母菌株の樹立を試みた。(1)については、乳酸菌菌体表面発現ベクターpSGANC332CのEco RIとSma I site間にCTB-ZIKVE蛋白質人工遺伝子を挿入してligation反応を行い発現コンストラクトpSGANC332C_CTB-ZIKVEを構築、電気穿孔法により乳酸菌にtransfectを行った。(2)については、CTB-ZIKVE蛋白質人工遺伝子をIn-fusion法を用いて酵母菌体表面発現ベクターpYES3_Aga2P_AGIA_Aga2mに組込んで発現コンストラクトpYES3_Aga2P_CTB-ZIKVE_AGIA_Aga2mを構築、酵母菌EBY100株にLithium Acetate法によりtransfectionしてトリプトファン欠損培地により選択、増殖が認められたcloneについてグルコース欠損・ガラクトース添加培地による培養にて、菌体表面へのCTB-ZIKVE融合蛋白質発現誘導を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
乳酸菌に対する発現コンストラクトpSGANC332C_CTB-ZIKVEの構築は出来たが、安定して発現コンストラクトを保持し、CTB-ZIKVE融合蛋白質を発現する乳酸菌株の樹立には至っていない。また、酵母菌に対する発現コンストラクトpYES3_Aga2P_CTB-ZIKVE_AGIA_Aga2mの構築は出来たが、transfectを行い発現誘導を試みた酵母菌のCTB-ZIKVE融合蛋白質の発現が安定的に認められないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者の協力を基に、CTBとZIKVE蛋白質を菌体表面に共発現する乳酸菌株び酵母菌株の樹立を鋭意進める。乳酸菌株の樹立については電気穿孔法の条件検討を中心に進める。酵母菌株については、発現至適条件(ガラクトース濃度、ガラクトース添加前および添加後の培養時間・温度など。)の検討や、それでも安定的な発現が得られない場合は発現ベクターのプロモーターの変更などを試みる。乳酸菌および酵母菌の菌体上に安定的なCTB-ZIKVE融合蛋白質の発現が得られれば、それらをマウスに経口投与免疫を行い、ZIKVE蛋白質単独発現酵母菌株もしくはZIKVE蛋白質単独発現乳酸菌株を、大腸菌で発現させて精製したCTBと共に経口免疫した場合とのZIKVE蛋白質に対する粘膜免疫誘導効率を比較検討する。また、研究に十分なエフォートを当てれない点については、研究補助員(アルバイト)の雇用を考慮する。
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