研究課題/領域番号 |
22K10498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
清水 少一 産業医科大学, 医学部, 講師 (10892804)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マラリア / 関節炎 / 気管支喘息 / 衛生仮説 / 免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
衛生環境が向上した先進諸国では自己免疫疾患やアレルギー疾患の増加が報告されているが、その理由について「途上国の非衛生的な環境では病原体への適度な曝露が免疫系を正常に保っているが、先進国ではそれが失われたため免疫疾患が増加している」という「衛生仮説」が知られている。マラリアは熱帯の途上国において一般的な最も重要な感染症の1つであるが、本仮説との関連は全く不明である。本研究では自己免疫疾患やアレルギー疾患の動物モデルに対するマラリア感染の影響を解析することにより、衛生仮説におけるマラリアの意義を実験的に検証しその機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究ではネズミマラリア原虫Plasmodium yoelii 17X(Py)の免疫疾患モデルへの影響を調べることで、衛生仮説におけるマラリアの役割を解明することを目指す。自己免疫疾患モデルとしてコラーゲン誘導関節炎(CIA)、アレルギー疾患モデルとして卵白アルブミン誘発気道炎症(OVA)を用いている。
CIAモデルマウスにPyを感染させたところ、コラーゲン免疫後4週後に感染させた群(CIA発症時期にPyが血中に存在する)でCIA抑制効果を示し、CIA促進性の炎症サイトカインの抑制とともにIL-10の増加が観察された。Pyによる関節炎抑制へのIL-10の必要性を検討するため、IL-10ノックアウト(KO)マウスを用いて同様の実験を行った。意外なことに、KOマウスにおいてもPy感染群でCIAの発症が有意に遅れており、しかもこの効果はPyが排除された後に消失した。したがって、PyによるCIA発症抑制には、少なくともIL-10だけではなく他の因子も関与していることが示された。
OVAモデルマウスにPyを感染させたところ、病理組織で粘液産生に係わる杯細胞の減少が認められたことからPyは気道炎症の抑制作用も持つことが示唆された。血清IgEは有意な差はみられなかったものの、肺胞洗浄液中の肺胞マクロファージ数およびIL-5の低下が観察された。肺胞マクロファージ(AM)には炎症抑制効果が報告されていることからPy感染によってAMが増加し気道炎症が抑制されたと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の計画は遅延や変更があるものの、両動物モデルを並行して実験を進めているため、概ね順調と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
当初はIL-10の役割に着目してその必要性を追求することを計画していたが、前述の通り、Pyによる免疫疾患抑制効果にIL-10以外の関与が考えられるため、まずは宿主動物でどのような免疫学的、病理学的変化が生じているのかそれぞれの疾患モデルにおいて解析することに注力する。
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