研究課題/領域番号 |
22K10501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
竹前 喜洋 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 室長 (10584386)
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研究分担者 |
百瀬 文隆 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90332204)
ドアンハイ イエン 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (90701243)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ターゲットキャプチャー法 / A型インフルエンザウイルス / ハイブリダイゼーションプローブ / 次世代シーケンサー / ターゲットキャプチャー / 臨床検体 |
研究開始時の研究の概要 |
国際公共データベースに登録されたA型インフルエンザウイルスの全塩基配列から、全ての亜型(H1-H18及びN1-N11亜型)ウイルスに網羅的にハイブリダイズするプローブを設計する。ヒト臨床検体中に、濃度別に調整した様々な亜型の検証用ウイルスが添加し、設計したプローブパネル候補とハイブリダイゼーション(ターゲットキャプチャー)させた後に、次世代シーケンスを実施する。得られた配列データを詳細に解析し、PCR法と比較した場合の検出感度、濃縮効率、非標的遺伝子の低下率などからプローブパネルを評価し、臨床検体中のA型インフルエンザウイルスの全遺伝子配列を直接に解読可能な高感度な検出方法を創出する。
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研究実績の概要 |
昨年度までに設計・合成したターゲットキャプチャー法に用いるA型インフルエンザウイルス用カスタムプローブパネル(168,091プローブを含む)の検証を以下の通りに進めた。H1亜型からH15亜型及びN1亜型からN9亜型のヒト又は動物由来のA型インフルエンザウイルス28株を検証用ウイルスとしてそれぞれRNAを抽出し、各RNAに含まれるM遺伝子のコピー数をデジタルPCRにより定量した。ヒト由来RNAをバックグラウンドとして添加し、A型インフルエンザウイルスRNAがそれぞれ1000コピー/uL含まれる仮想的なヒト臨床サンプルを28検体分作製した。各サンプルをランダムプライマーでcDNAに逆転写後にライブラリーを作製し、昨年度に合成したカスタムプローブパネルと約16時間のハイブリダイゼーションを行い、A型インフルエンザウイルス由来のゲノムが濃縮されたNGSライブラリーを作製した。対照として、市販されているターゲットキャプチャー法用プローブパネルとして、多岐に渡るA型インフルエンザウイルスに対応するプローブが最も含まれていると考えられるTwist Comprehensive Viral Research Panelを用いたNGSライブラリーも28検体分作製した。各ライブラリーをIllumina Miseqでシーケンスを実施し、A型インフルエンザウイルスゲノムに由来リード数、リファレンスに対する深度やカバー率等の解析を進めた。 また、通常のNGS法に対して、ターゲットキャプチャー法を用いた場合の濃縮効果の検証として、A型インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2に感染した患者検体における市販のプローブを用いた検証も同時に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検証に用いるA型インフルエンザウイルス株の全ゲノム解析が終了し、A型インフルエンザウイルスRNAを含む仮想的なヒト臨床検体の作製が終わった。当初計画の通りに、合成したカスタムプローブを用いたターゲットキャプチャー法の検証が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
カスタムプローブを用いたA型インフルエンザウイルスゲノム解析効率の詳細解析を引き続き行うとともに、季節性A型インフルエンザ陽性と診断された実際のヒト臨床検体を用いた検出感度の検証を行う。以上の実験により、臨床検体中のA型インフルエンザウイルスの全遺伝子配列を直接に解読可能な高感度な検出方法を創出する。
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