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新規乱用薬物の微量代謝物を対象とした絶対構造解析法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K10521
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

研究代表者

土井 崇広  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (90516767)

研究分担者 東 雄貴  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (60880466)
阪井 貴之  地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (40964101)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードLSD / MIPLA / 結晶スポンジ / 結晶構造解析 / 代謝物 / 合成カンナビノイド / 乱用薬物 / 新規乱用薬物 / 単結晶X線構造解析 / 構造決定 / 結晶スポンジ法
研究開始時の研究の概要

規制・乱用薬物による事件・事故においては、摂取薬物の代謝物分析が摂取証明の有力な手段となる。通常、化合物の同定は、試料溶液と検出が疑われた化合物の標準品を複数の機器で分析し、結果の同一性を確認することで実施される。代謝物は合成が困難なものが多く、規制薬物であっても代謝物の標準品を入手できるケースはまれである。標準品がない化合物でも構造決定が可能な手法として、いくつかの方法があるが、ミリグラム単位の化合物が必要であるため、常法では微量代謝物の解析は困難である。応募者らは、微量な非結晶性化合物を単結晶X線構造解析できる方法に着目した。本研究はその方法を応用し、微量代謝物の構造決定法構築を試みる。

研究実績の概要

当該年度はLSD系化合物を対象として検討を行った。モデル化合物として、N-(6aR,9R)-N-isopropyl-N,7-dimethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (MIPLA)を用いた。
MIPLAの1mg/mLジクロロメタン溶液を調製し、結晶スポンジ法での構造解析を試みた。TPT/ZnCl2/n-hexaneの結晶を用い、20~100μgのMIPLAを4℃で3日incubationしたところ構造解析はできなかったものの茶色に変色しており、一部の化合物が結晶スポンジに取り込まれていたと考えられた。50℃16時間の条件では全体として色調が濃くなっており、取り込み率が比較的高かったものと推定されたが、測定の結果構造解析には至らなかった。50℃16時間の条件下50μgのMIPLAを用いてn=3で検討を行ったところ、用いた結晶スポンジにより色調の変化に差が認められた。いずれの結晶も化合物の取り込みに適した結晶であったことから、サイズや形状等も含め使用する結晶の質で取り込み効率に大きな差がある可能性が想定される。これまでの条件検討では1条件1結晶で検討を行ってきたが、質の違いによる影響を考慮すると3~5個程度の結晶を用いて検討するのが適切であると考えられた。
LSD系の化合物については、MIPLA同様に結晶スポンジへの取り込みによる変色が期待できることから、今後他の類似化合物を条件検討に用いることを予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に期間中に研究所の移転・単結晶X線構造解析装置の更新などが重なり、2~3か月程度実験中断期間が生じたためやや計画に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

LSD系の化合物については、変色をベースにした化合物取り込み効率の推定が期待できるため、当該化合物群をモデルとして代謝物の構造決定を目指す。また、部分構造にカルボン酸を持つ化合物については、分子間でカルボキシル基を介した水素結合を形成し、分子そのものが結晶化しやすくなると考えられるので、結晶スポンジ法だけでなく結晶化そのものの条件検討を並行して実施することを予定している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and structure determination of a synthetic cannabinoid CUMYL‐THPINACA metabolite with differentiation between the ortho‐, meta‐, and para‐hydroxyl positions of the cumyl moiety2023

    • 著者名/発表者名
      Azuma Yuki、Doi Takahiro、Asada Akiko、Tanaka Misa、Tagami Takaomi
    • 雑誌名

      Drug Testing and Analysis

      巻: 16 号: 4 ページ: 348-358

    • DOI

      10.1002/dta.3548

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Methyl 1-(4-fluorobenzyl)-1H-indazole-3-carboxylate2023

    • 著者名/発表者名
      Doi Takahiro、Sakai Takayuki
    • 雑誌名

      IUCrData

      巻: 8 号: 11

    • DOI

      10.1107/s2414314623009951

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 合成カンナビノイドCUMYL-THPINACAの代謝物における位置異性体を区別した構造決定および薬理活性評価2022

    • 著者名/発表者名
      東雄貴 , 田中未紗 , 淺田安紀子 , 阪井貴之 , 田上貴臣 , 土井崇広
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] <論文紹介>危険ドラッグの摂取証明に強力な一手!代謝物の分子構造を解明しました

    • URL

      https://www.iph.osaka.jp/s013/040/050/20230925/20230925093833.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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