研究課題/領域番号 |
22K10529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (10363699)
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研究分担者 |
小山 雅之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10822736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | COVID-19 / 時系列解析 / 指数スペクトル / 変異型 / 予防接種 / カオス / 麻疹 / 予測解析 / 数理モデル / 新型コロナウイルス感染症 / 予測 / 気象 / 人口密度 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19の流行対策のために、未来の新規陽性患者数を定量的に予測することは、世界的に重要な今日的課題であり、本研究では新規陽性患者数の定量的予測を目標とする。まず本邦のデータに時系列解析を実行し、①社会的な感染症対策、②ワクチンの導入、③変異ウイルスの出現が、流行変動に与える影響を調べる。そして④人口密度と⑤気象変動の影響を海外共同研究先のデータを用いて調べる。結果に基づいて流行予測を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実績は下記の通りである。 1)本邦におけるCOVID-19陽性報告者数時系列データに最大エントロピー法に基づいたスペクトル解析を適用して得られた結果が、査読付英文学術誌に受理された。 2)上述1)の結果を土台にして、COVID-19の47都道府県別陽性報告者数時系列データを解析した結果、非線形力学系に特有の指数スペクトルが観測された。そしてその指数スペクトルの大きさが、人口の大きさと有意な相関があることが明らかとなった。この結果は、過去に報告者がデンマーク、アメリカ、イギリスの麻疹データについて得た結果と同等であり、本邦におけるCOVID-19の流行が感染症数理モデルで有名なSEIRモデルで基本的に記述できることを示唆するものである。得られた結果を現在論文としてまとめており、査読付英文学術誌に投稿準備中である。 3)現在、COVID-19の陽性報告者数時系列データを用いて、予測解析を行っているところである。予測解析では、スペクトル解析の結果から、基本モードを同定し、あてはめ解析を行い、得られたあてはめ曲線を未来に延長することによって、定量的に予測値を得るものである。 4)今後は、上述1)~3)の本邦の実測データの解析結果に基づいて、東南アジア諸国のデータの陽性報告者数時系列データを解析し、国ごとに流行変動が異なる要因を定量的に調べる予定である。更に、今後は、ウイルスの変異の様相を取り込んだ数理モデルを解析し、この数理モデルから得られた結果を、上述1)~3)の実測データから得られた結果と比較検証し、COVID-19はもとより新興・再興感染症の今後の出現に備えたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
報告者によるこれまでの感染症に係る結果を土台としていることから、COVID-19についても有意な結果が得られており、現在COVID-19に係る論文が1本受理され、2本を投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)本邦の実測データの解析結果に基づいて、東南アジア諸国のデータの陽性報告者数時系列データを解析し、国ごとに流行変動が異なる要因を定量的に調べる予定である。 2)ウイルスの変異の様相を取り込んだ数理モデルを解析し、この数理モデルから得られた結果を、上述1)の実測データから得られた結果と比較検証する予定である。
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