研究課題/領域番号 |
22K10546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
内村 和広 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部 疫学情報室, 副部長 (30247283)
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研究分担者 |
河津 里沙 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 主任研究員 (10747570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 結核菌感染調査 / 結核接触者 / ローカルデータ / 結核 / 接触者健診 |
研究開始時の研究の概要 |
効果的で持続可能な結核対策には地域に基づいたローカルデータの活用と継続的な評価が必須である。マラウィ国を研究サイトとして、途上国における結核患者接触者の結核菌感染調査を行ない、接触者健診拡大に向けて、どのような患者接触者の結核菌感染リスクが高いのかを調査することにより、低所得国でのローカルデータの活用を通じた結核対策推進のための研究を行う。初発となる結核患者の感染性(胸部X線、塗抹検査菌量、核酸増幅法による迅速結核診断検査の半定量測定値)、初発結核患者および患者接触者の性、年齢、家族構成、職業などの背景情報、よく訪問する場所などの疫学情報も加えて,結核菌感染リスク要因を推定する。
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研究実績の概要 |
マラウィ国リロングウェ市を研究サイトとして、途上国における結核患者接触者の結核菌感染調査を行なうため、本年度は予備調査と2023年度に実施する調査の準備を行なった。結核菌感染調査は活動性結核患者と居住空間を共にしている(家族接触者)と、その他の場所で一定時間を共にしている者(家族外接触者)を対象とするため、それぞれの対象人数と分析に有効となる背景要因を調査する予備調査を行なった。予備調査は、マラウィ国リロングウェ市の以下の4つの結核患者登録施設で行なった。対象登録施設はBwaila 病院とArea18、 Area25、Kawaleの各保健センターである。調査は各調査施設で登録された結核患者で家族接触者がある者、家族接触者以外で接触者調査が必要と保健センターで認められた者を対象とし、同意が得られた者を初発患者登録とした。この初発結核患者については、登録記録より、性、年齢、職業、HIV感染の有無、胸部レントゲン結果、塗抹検査結果、核酸増幅法による迅速結核診断検査結果、培養検査結果、感受性検査結果を収集し、聞き取りにより、家族構成、接触者を調査した。接触者については、性、年齢、職業、HIV感染の有無、初発患者との関係を聞き取り調査した。また、初発、接触者両者より、同居状況、同居はしていないが頻繁に会う家族、親類、よく訪れる場所 (教会、飲食店、職場、学校、等)を聞き取りした。調査は各結核患者登録サイトに配属されているHealth Surveillance Assistantが行ない、マラウィ結核対策部門の共同研究者はスーパーバイズを行なった。2023年1月時点で、初発患者500人、接触者1000人のデータ収集を行なって、予備調査の収集は打ち切りとした。現在、収集データの精査を行なって、研究対象として有効な対象と調査数を算定しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マラウィ国リロングウェ市においても、新型コロナウィルス感染症流行とその感染対策による行動制限があり、当初の予備調査期間を延長する必要があった。主な延長の理由は、新型コロナウィルス感染症流行による結核登録者の減少で、途上国を主に世界的にみられている影響である。また、急激に進行した円高の影響により、予定では2022年度で実施する予定であったELISA等の結核菌感染調査機器の整備が2022年度申請の予算では不足となり、2023年申請の予算と合算して実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、予備調査の結果を精査分析して、結核菌感染感染調査に必要な感染リスク要因の最終選定、および調査対象人数と調査サイトの最終決定を行なう。また。この結果を元にマラウィカンターパートとの間で調査プロトコル最終版の作成、MOU(Memorandum of Understanding)の締結を行なう。また、日本、マラウィ各々で研究倫理審査を申請し承認を受ける。2023年度後半で本調査に着手する予定である。
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