研究課題/領域番号 |
22K10547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
伊東 直哉 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (60930881)
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研究分担者 |
川端 孝典 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 上級研究員 (40834560)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 抗菌薬適正使用支援 / 感染症内科による症例相談 / 血液培養 / 感染症内科 / 症例相談 |
研究開始時の研究の概要 |
がん患者はその治療と原病の進行に伴って感染症を発症し何度も抗菌薬投与を受けるため、薬剤耐性菌の増加と対策が喫緊の課題となっている。我々は日本のがんセンターにおいて初めて感染症内科医による症例相談と院内の抗菌薬適正使用支援活動によって、患者の予後の悪化を来すことなしに広域抗菌薬の使用量を低下させたが、広域抗菌薬使用の削減によるその他の効果、耐性菌の減少および患者予後の改善にはさらなる介入の継続、期間と検討が必要であると考えられた。本研究ではがん患者における我々の介入の臨床に与えるインパクトを可視化し、安全ながん治療施設の確立と、がん患者の予後の改善、入院費の抑制につながる最適な対策を解明する。
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研究実績の概要 |
日本のがんセンターにおける、抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)と感染症(ID)コンサルテーションが血液培養陽性入院患者の診断精度の向上に対する効果について報告した(Sci Rep. 2024 Feb 4;14(1):2869)。ASPとIDコンサルテーションが患者の臨床診断に及ぼす直接的な影響は、依然として不明である。我々は、2018年4月1日から2022年3月31日までの期間において、単施設、後方視的観察研究を実施し、介入前(感染制御チームによる抗菌薬の通知)と介入後(ASPの導入とIDコンサルテーションの設置)の2段階を評価した。期間中の入院患者数は42,514人で、介入前が22,096人、介入後が20,418人であった。合計939件の血液培養陽性エピソード(介入前、n=434、介入後、n=505)が解析された。介入前期間中、患者の28.1%が診断不明であったが、介入後は1.2%に有意に減少した。さらに、肝胆道感染症およびその他の感染症は介入後に有意に増加し、黄色ブドウ球菌感染症による死亡率は介入前の28.6%から介入後は10.4%に減少した。1000患者日あたりの全培養検体提出数の傾向と水準は、介入後に有意に増加した。特筆すべきは、毎月の血液培養の2セット率が有意に増加したことである。結論として、がんセンターにおけるASPとIDコンサルテーションによる診断プロセス全体の改善は、患者ケアの最適化につながる可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前もって決められたデータ項目について、日常業務も兼ねて収集している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、研究をすすめていく予定であるが、研究代表者の施設異動のため、令和5年度までのデータを用いて解析していく方針である。
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