研究課題/領域番号 |
22K10550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
相馬 優樹 弘前大学, 教育学部, 助教 (60792372)
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研究分担者 |
小林 央美 弘前大学, 教育学部, 教授 (00419219)
小笠原 悠 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (40809844)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 不登校 / 健康診断 / 新体力テスト / 学習成績の状況 / 出席状況 / 保健室 / 外傷 / 学校 / 学校保健 / 保健指導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,学校に蓄積されている多項目データを構築・分析して学校生活上の変調を予測する因子を特定し,将来変調をきたすリスクの高い子どもを発見するチェックリストを開発することである.研究協力校である小学校と中学校より,健康・生活・学習成績に関するデータの提供を受け,それらのデータを用いて変調を予測する因子を抽出する.さらに,抽出された因子を用いて,変調を予測するチェックリストを開発し,チェックリストを活用した最適な支援方法を提案する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,学校が保有している子ども達の健康診断,体力テスト,学習成績の状況,欠席日数,保健室の利用状況といったデータより学校ビッグデータを構築・分析することである.令和5年度は,研究対象の小学校及び中学校の児童生徒880人の1~9年分のデータより,延べ4043人分のデータベース構築が完了した.さらに,児童生徒に発生する変調の中でも「忌引きや出席停止以外の年間10日以上の欠席」に着目し,その要因を7年間の縦断データを用いて探索的に分析した.その結果,男女共通して体調不良による保健室の来室回数が多いこと,学習成績の状況が悪いことが予測因子として明らかとなった.また,女子においては週3日未満の運動習慣と睡眠の質も関連していた.分析結果は国際誌であるBMC Pediatricsに投稿し,現在審査中である.投稿した論文はPreprintとしてResearch Squareに現在掲載されている(https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-4005726/v1). 「忌引きや出席停止以外の年間10日以上の欠席」の他に,学校において発生する「外傷」にも着目し,学校内の場所や体力との関連を分析した.その結果,すり傷は屋外の広い場所,切り傷・刺し傷・裂傷・鼻出血・とげによるけが・目の負傷・歯の負傷は教室など屋内の狭い場所,打撲・捻挫・口の負傷・つき指は体育館など屋内の広い場所と関連していることが示唆された.また,外傷により保健室に来室することが多い児童の特徴として,低学年であり,体力が高いことが挙げられ,特に来室頻度の多い児童は打撲,少ない者はすり傷による保健室来室が多いことも示唆された.外傷と発生場所の関連については,第82回日本公衆衛生学会総会にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究において,子どもに発生する「忌引きや出席停止以外の年間10日以上の欠席」を予測するための要因のチェックリストを作成するための関連要因を見つけ出すことができ,それを学術論文としてまとめて国際誌(BMC Pediatrics: Impact factor 2.9)に投稿することができた.研究期間3年以内に国際誌2編の投稿・掲載を目標としており,2年目に1編を投稿できたことからおおむね順調に研究課題が進んでいるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度までは,7年間という比較的長期の間に発生する「忌引きや出席停止以外の年間10日以上の欠席」の予測を行った.令和6年度は,これまでに構築したデータベースを活用し,1学期開始後2~3か月内に学校で収集される項目と年度末の欠席日数との関連を分析することで,頻回欠席のリスクの予測可能性を検討する.
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