研究課題/領域番号 |
22K10556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
秋田 智之 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (80609925)
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研究分担者 |
田中 純子 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70155266)
杉山 文 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50778280)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 献血推進 / 血液製剤 / 需要と供給 / 年齢・時代・コホートモデル / 献血 / 献血行動 / 出生コホート |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では、少子化や新型コロナ流行により輸血用血液製剤の供給不足が懸念されている。本研究では、有効な献血推進や血液事業を検討する上で、必要な基礎資料である「献血者数と血液製剤需要の将来推計」を2006-2020年の献血者(各年500万人)のデータや血液事業報告などの統計資料を用い、献血行動(Markovモデル)やコホート効果(年齢・時代・コホートモデル)を考慮した解析を行う。さらに、将来の血液製剤不足数や不足を起こさないための献血率目標値の推定を行う。また、新型コロナによる献血への影響を考慮するため、コロナの影響が短期的であった場合あるいは長期的であった場合の献血者数への影響について予測する。
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研究実績の概要 |
少子高齢化が進む我が国では、献血可能年齢人口(16-69歳)の減少による献血者数の減少および高齢者人口の増加に伴う血液製剤需要の増加が見込まれている。2020年からのコロナ禍は、行動制限による献血者数減少や献血者確保のための日赤の緊急アピール・献血への呼びかけによる献血者数増加など、献血者の献血行動にも影響を与えている。将来の血液製剤の供給不足を防ぎ計画的に献血者を確保していくためには、献血の需給予測が重要である。今年度は供給、すなわち献血者数の動向について把握および将来推計を行った。 2006-2020年度の全献血者(各年450~530万人)のデータを用いて、男女別に、献血率の動向を数理モデルAge-Period-Cohortモデルによる解析を行った結果、年齢に関しては男女とも18歳をピークに相対献血率は低下していた。時代に関してはあまり大きな変化はなかったが、2020年度の相対献血率は2019年度より微増傾向がみられた。出生コホートに関しては、1960-1970年代生まれの出生コホートで相対献血率が高い傾向がみられた。これらの結果ををもとにAPCモデルで予測した2021-2035年の予測献血者数は減少傾向が続き、2025年449万人、2030年390万人、2035年328万人であった。また、厚労省血液対策課が示した献血推進2025の目標値6.7%に対し、2025年の全年齢の予測献血率は5.8%であった。来年度は需要予測を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定を一部入れ替え、また、当初はマルコフモデルとAge-Cohortモデルによる供給予測を計画していたが、コロナ禍が献血者数に与えた影響を反映させるために数理モデルをAge-Period-Cohortモデルに変更して、供給予測について終了したため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は献血の需要予測、すなわち血液製剤の需要予測とその値を献血者数へ換算し、献血不足分や目標献血率などについて考察していく。
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