研究課題/領域番号 |
22K10557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
加藤 匡宏 愛媛大学, 教育学部, 教授 (60325363)
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研究分担者 |
山内 加奈子 福山市立大学, 教育学部, 講師 (20510283)
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
斉藤 功 大分大学, 医学部, 教授 (90253781)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ニューラルネットワークモデル / 脳心事故発症予測 / ヘルスプロモーション / 予備実験 / 単層ニューラルネットワーク / 職域コホート / 健康調査 / 脳心事故予測 / 住民基本健康診査 / 疾病登録 / 再帰型ニューラルネットワークモデル / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
大洲コホートⅠ、コホートⅡ、脳心事故疾病登録のデータを使用したRNNモデル作成のパイロットプログラムを実装する。コホートデータの脳卒中発症の有無に対して、性別、年齢、身長、体重、BMI(Body Mass Index)、収縮期血圧、拡張期血圧、血液データの総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、GOT、GPT、γGTP、ヘモグロビン、Hb判定(赤血球)の18 項目からニューラルネットワークの重みを更新する学習データ(train)を構築し、精度と損失関数を求めることによって脳心事故発生予測モデルの適正を決定する。
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研究実績の概要 |
筆者は,脳卒中および心筋梗塞(脳心事故)の危険因子を特定するために愛媛県の中規模市である O 市(人口約 5 万人規模)において以下の(1)(2)の 2 つのコホート集団を設立した。最初に(1)第 1 期 O 市コホートⅠ(1996 年から 1998年:5161 人)においては,老人保健法に基づく成人病基本健康診査受診結果データと食生活習慣を含む脳心事故 に関連する危険因子に関する問診等の健康関連項目を 3年間で蓄積した。次に(2)第 2 期 O 市コホートⅡ集団(2009 年から 2011 年:3600 人)においてはメタボリック症候群予防の特定健康診断結果データ,飲酒,喫煙,日常身体活動量,睡眠など様々な生活習慣の状況,首尾一貫感覚(Sense of coherence 以下 SOC と略す)を含む詳細問診項目,自律神経系機能検査,各種バイオマーカー等の脳心事故危険因子に関するベースラインデータを3 年間で蓄積した。(1)(2)のコホート集団は脳心事故発生をエンドポイントとする調査であるために 1996 年より約 27 年にわたり,O 市基幹病院において脳心事故の疾病登録を実施し,脳心事故発生および死亡の動向を把握している。脳心事故疾病登録データと 2 つのコホート集団のベースラインデータをマッチング解析することにより脳心事故発生の危険因子を明らかにしてきた。筆者らは機械学習のプラットフォーム基盤を確立することによって O 市で設立した 2 つのコホート集団である(1)O 市コホートⅠおよび(2)O 市コホートⅡのベースラインデータを(3)脳心事故発生の疾病登録情報を再帰型ニューラルネットワークモデル(RNN)モデルによるディープラーニング(Deep Learning 以下 DL と略す)手法によって健診受診者一人ひとりに脳心事故の発症予測確率を算出する試みを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域における疾病予防活動では,リスクの大小にかかわらず集団全員を対象とした「ポピュレーション戦略」に力を入れ,特に教育や啓発を中心とした一次予防の活動を実施している。また,疾病発症リスクの高い集団には「ハイリスク戦略」として早期発見・早期治療という二次予防策をとってきた。しかし,ハイリスク戦略はすでにリスクが上昇している集団を対象とするために,被介入者が治療対象者になってしまうことが多く,予防活動となりにくいことが多いので、O市保健センター保健師との作業が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
ポピュレーション戦略の教育や啓発として,過去に集積された脳心事故疾病登録データと健診データから RNN モデルを用いて,健診受診者各個人に対して脳心事故の発症確率を提示することができれば,健診受診後に実施される保健指導のエビデンスを提供することができ,健診受診者が脳心事故発症のハイリスク者になる前に積極的な予防介入ができると考えた。本研究においては,脳心事故発症のうち脳卒中発症予測確率の正解率(精度)と損失率を求めた。
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