研究課題/領域番号 |
22K10597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
矢原 耕史 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 室長 (70542356)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / 疾病負荷 / 医療コスト / サーベイランス / 保菌 / JANIS / DPC / 疫学 / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
日本の主要な薬剤耐性菌を対象として、4種類(菌の薬剤耐性の検査結果、耐性菌感染症の発症患者、医療行為歴と患者予後、菌株のゲノム)のビッグデータを統合解析し、保菌者と発症者を区別した上で、菌種ごとに、 (A) 30日死亡率を医療機関単位で明らかにすると同時に、30日死亡に菌の特定のサブタイプや遺伝子が有意に関連するかどうかを明らかにする。(B) 入院中に生じる医療費の分布を医療機関単位で明らかにした上で、日本全国で発生する総医療費を明らかにする。(C) 患者背景のマッチした対照者と比較し、保菌者と発症者の死亡リスクおよび入院中に生じる医療費が、対照者と比較してどれだけ高いかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本の主要な薬剤耐性菌を対象として、4種類(菌の薬剤感受性の検査結果、耐性菌感染症の発症患者、医療行為歴と患者予後、菌株のゲノム)のビッグデータを統合解析し、保菌者と発症者を区別した上で、薬剤耐性菌の疾病負荷と医療コストに関する定量的なエビデンスを菌種ごとに明らかにすることを目指している。2022年度は、4種類のビッグデータのうち、各医療機関で行われている全ての細菌検査・薬剤感受性検査の結果のサーベイランス(厚生労働省JANIS検査部門)データと、薬剤耐性菌による感染症発症患者のサーベイランス(厚生労働省JANIS全入院患者部門)データ、各医療機関が厚生労働省に提出している全医療行為歴と患者の臨床情報・予後(DPC)データ、の3種類のデータを統合するプログラムの開発に注力した。いずれのデータも、医療機関が厚生労働省にデータを提出する時点で、異なるルールで患者IDが暗号化されているため、各データの中に含まれる暗号化済患者IDとカルテIDの対応表を作成し、カルテIDを新たに暗号化した上で、患者単位でデータを統合し、入院エピソード単位で出力するプログラムを開発した。データ統合の際に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌とカルバペネム耐性腸内細菌目細菌については、耐性菌による感染症発症患者と、感性菌による感染症発症患者を、検査材料と病名に基づいてマッチさせた。このプログラムを、倫理審査を経て、ある大学病院に蓄積されたデータに適用し、まず黄色ブドウ球菌について、耐性菌(MRSA)と感性菌(MSSA)による感染症発症患者を226名ずつマッチさせたデータセットと、耐性菌(MRSA)の保菌者764名と感染症発症患者420名から成るデータセットを用意することが出来た。各データセットを用いて、疾病負荷と医療コストを群間比較する統計解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ統合プログラムを予定通り開発し、倫理審査を経て、ある大学病院のデータに適用して統計解析用のデータセットを用意することが出来た。順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の達成度を継続していけるよう、今後も日々努力する。
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