研究課題/領域番号 |
22K10603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥光 優 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30725015)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 頭蓋骨 / 子ども / 厚さ / 力学的性質 / 年齢 / 日本人 / 児童虐待 / 骨 / 強度 / 法医学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では合計120件程度の子どもの法医解剖事例の頭蓋骨を用いる。試料は頭蓋冠1個につき5個採取し,多列検出器型CTを用いて画像検査を行い,画像解析用ソフトを用いて中心部の厚さを計測する。続いて3点曲げ装置を用いて試料に対し3点曲げ試験を行い,得られたデータを整理して各強度(曲げ強度,弾性率,降伏応力,破壊応力等)を求める。試料の強度及び厚さに対し統計学的分析を行い,結果を確認し考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は事故による子どもの頭部外傷を予防するため,また法医鑑定において子どもの頭部外傷を正確に評価できるようにするために,①子どもの頭蓋骨の強度及び厚さを部位毎に評価し,比較することで,どの部位が骨折しやすいのかを明らかにすること,②年齢との相関関係を調査し,頭蓋骨の生理的成長について明らかにすること,③男女別に分けて調査し,子どもの頭蓋骨の性差について明らかにすることを目的とした。 法医解剖が行われた事例のうち,性別・年齢等が明らかである20歳未満の日本人死体42例(男性23体,女性19体)から合計170個の試料が得られた。3点曲げ試験装置を用いて曲げ荷重及び変位を求め,さらに曲げひずみと曲げ応力のグラフを作成し,ヤング率,降伏応力,最大応力を求めた。 1.5歳以下の23例では,男性46個中14個,女性40個中20個が3点曲げ試験で破断しなかった。このような現象を明らかにした報告は今回が初めてであった。我々の過去の研究では成人の頭蓋骨の強度は男性のほうが女性よりも有意に大きいことを示したが,本研究の結果,子どもでは異なることが示された。 本研究は子どもの頭蓋骨の厚さと3つの力学的特性(ヤング率,降伏応力,最大応力)がいずれも年齢と共に対数的に増加することを示した初めての研究となった。また,子どもの頭蓋骨は就学前で特に薄く,強度が小さく,小さな外力でも骨折する危険性が高いことが示唆された。 本研究の成果をまとめ,2022年に論文を執筆し,国際誌であるForensic Science Internationalに投稿し,2023年1月に受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の成果をまとめた論文はすでに国際誌(査読あり)に受理されているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在,本研究の次なる研究として,別の計算方法を用いた子どもの頭蓋骨強度の研究を行うために,新たに試料を収集しているところである。
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