研究課題/領域番号 |
22K10623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松末 綾 福岡大学, 医学部, 講師 (70309920)
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研究分担者 |
久保 真一 福岡大学, 医学部, 教授 (10205122)
石川 隆紀 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50381984)
柏木 正之 福岡大学, 医学部, 准教授 (70301687)
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 講師 (00609480)
高山 みお 福岡大学, 医学部, 講師 (40804802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 覚醒剤 / 遺伝子多型 / 剖検例 / 遺伝子解析 / 法医剖検例 |
研究開始時の研究の概要 |
覚醒剤の毒性発現には個人差が存在することから、本研究では、毒性発現の個人差に関与する遺伝子を解明する。法医剖検例における覚醒剤中毒死症例について、覚醒剤の毒性を増強する遺伝子変異・多型を同定する。また、覚醒剤検出症例で、特異的に発現量が増減している遺伝子・タンパクを明確にし、覚醒剤が身体や死因に及ぼす影響を考察する。
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研究実績の概要 |
Catechol-O-methyltransferase(COMT)は、カテコラミンの代謝において重要な役割を果たしている。COMT遺伝子には多型が報告されていることから、法医剖検例におけるCOMT遺伝子多型と血液中カテコラミン濃度との関連を検討した。覚醒剤や向精神薬などの薬毒物が血液中に未検出の法医剖検例118例、向精神薬検出症例92例、覚醒剤検出症例49例について、血液中アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン濃度を測定した。いずれも死後経過時間が4日以内の症例とした。血液中薬物はGC-MS並びにLC-MS/MSで測定した。COMT遺伝子多型は、血液からDNAを抽出し、rs4633とrs4680についてリアルタイムPCRで判定した。薬毒物未検出症例と覚醒剤検出症例では、血液中アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン濃度のいずれにおいても、2つのCOMT遺伝子多型との関連は認められなかった。向精神薬検出症例では、血液中アドレナリン、ノルアドレナリン濃度と2つのCOMT遺伝子多型との間に関連は認められなかった。一方、血液中ドパミン濃度は、rs4633とrs4680との間に関連が認められた。rs4633では、T allele保有者(CT、TT)は、非保有者(CC)に比べてドパミン濃度が有意に上昇していた。rs4680では、A allele保有者(GA、AA)は、非保有者(GG)に比べてドパミン濃度が有意に上昇していた。以上の結果から、COMT遺伝子多型は向精神薬摂取時の血液中ドパミン濃度に影響を与えることが示唆された。我々はこれまでに、覚醒剤検出症例の脳脊髄液中ドパミン濃度が、COMT遺伝子多型によって有意に上昇することを明らかにしたが、覚醒剤検出症例の血中ドパミン濃度は、COMT遺伝子多型による影響が認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
法医剖検例の中から、覚醒剤や向精神薬などの薬毒物が血液中に未検出の症例、向精神薬検出症例、覚醒剤検出症例について、覚醒剤の毒性に関与している可能性のある遺伝子の多型を解析し、その影響を調べた。しかし、今年度は、向精神薬検出症例において関連が認められた遺伝子は同定できたが、覚醒剤検出症例では同定できなかった。今後は、他の候補遺伝子の解析と生化学検査をさらに行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、覚醒剤中毒死症例、覚醒剤検出症例ならびに薬毒物未検出症例について、覚醒剤の毒性に関与しているより多くの遺伝子の多型解析を行い、その影響を考察する。覚醒剤が検出された法医剖検例をさらに集積し、血液や尿だけでなく、様々な体液における覚醒剤濃度を測定する。血液や体液からの生化学検査も行い、それらのデータと遺伝子多型との関連を調べていく。
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