研究課題/領域番号 |
22K10641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
山田 雅子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30459242)
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研究分担者 |
吉田 千文 常磐大学, 看護学部, 教授 (80258988)
西村 恵理奈 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (80849993)
津田 篤太郎 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 診療教育アドバイザー (90837882)
江口 優子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 非常勤講師 (70965582)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 漢方医学 / 看護 / 看護教育 / 漢方的看護力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の根本的な問いは「漢方的看護力は患者がより健康に向かっていくための内発的動機づけに関連があるか」である。「漢方的看護力」とは漢方医学の考え方を学んだ看護師の、患者とコミュニケートする力をさすとし、彼らの特徴を示していこうとしている。その先には、システム化され効率化された医療において、患者本人が受け身の医療を探しあぐねるのではなく、自分自身の健康問題をよく理解してセルフケア力を獲得していくことにつながる看護実践が描けることを想定している。 そのために漢方医学を看護学生や看護師が学ぶための教材の開発、漢方医学を学んだ看護師の特徴の記述、さらにその特徴を図る方法を検討し、教育効果を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「漢方的看護力は患者がより健康に向かっていくための内発的動機づけに関連があるか」を根本的な問いに据え、漢方医学を学んだ者による看護実践の特徴は何なのかを記述することと、看護師らが漢方医学を学び、それを看護実践に活かすための活動を盛んにすることをと目指している。 2022年6月1日、2023年3月30日に研究会を開催し以下について議論し推進した。 1.「漢方的看護力」の概念化を進めるために文献を収集した。各種看護学と漢方および鍼灸を掛け合わせ、全検索をかけ重複を排除し漢方医学に関連したケアについて扱っていない文献を除いた結果、301件が該当した。今後文献を精査し、漢方医学に基づく看護がこれまでにどのような観点から扱われてきたのかをまとめることとした。 2.看護学部2年生を対象とした漢方医学教材を作成し、130名の学生に実施し感想を得た。学生たちは一概に肯定的な学びをしており、教え方によっては興味を持ち、自分の日常生活に引き寄せて漢方医学に基づくケアの必要性を認識するに至っていた。 3.看護師、看護学生およびそれ以外で漢方医学に興味を持つ者が、継続して漢方医学を学ぶことができる場として漢方倶楽部を立ち上げた。初年度は年間4回開催し、延べ42名が参加した。漢方倶楽部は2月に1回、夕方1時間という時間を設けているが、継続して参加できる者が少なく、学びを積み重ねることの難しさに直面しているが、メーリングリストを作成し、漢方倶楽部開催時に行った内容を報告し、欠席したメンバーに対する情報の共有を行っいそれを補っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検索を進めたが、多様な目的をもった資料が多く、それらの中から「漢方的看護力」の概念化を進めることが難しいことが分かってきた。そのため、文献から「漢方的看護力の概念を構成するアイテムプールを抽出する作業を一旦止め、進め方について再検討をしたためやや遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討を進め、看護師、看護学生らに対する漢方医学にまつわる講義を通して、「漢方的看護力」とは何かということを、研究チームのメンバーが説明する能力が向上していることを感じている。それは、漢方医学と関連なく行っている看護と漢方医学を学んだ者が行っている看護は明確な線引きができるくらい違いがあることではないことが分かったことと、漢方医学を学んだ者が行う看護実践にはプラスαのケアが存在している可能性があることが分かったことに関連している。そのプラスαのケアを説明することができれば「漢方的看護力」の概念化が進められる可能性が見えてきたため、そうした実践を「漢方医学を手掛かりにした看護実践」として、漢方医学を学んだ看護師たちにヒアリングを行い、具体的な事例を収集することに取り組んでいくこととした。
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