研究課題/領域番号 |
22K10643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
田中 美穂 東邦大学, 医学部, 非常勤講師 (80385567)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プラシーボ / 看護倫理 / 質問紙調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本国内の300床以上の病院1,443施設を対象とし、治療を目的としたプラシーボ使用の実状とプラシーボ処置の実施にまつわる看護師の心理的葛藤を、質問紙調査にて明らかにする。研究代表者は、同調査を2008~2010年度に採択された研究課題「臨床におけるプラシーボ使用の現状と社会的合意形成(医療における生命倫理:基盤C)」に研究分担者として関わり、成果を発表した。その10年後の実態を継続的に調査する。 さらに新機軸として、年々増加している在宅医療における看護師・介護士・家族によるプラシーボ治療の実状を、全国の訪問看護事業所1,000件を対象に調査し、実態を明らかとする。
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研究実績の概要 |
10年前に実施した調査の継続研究として、本調査を計画し2022年度に採択され研究準備を開始した。前回調査以降の文献を検討したところ、海外の研究において期待誘発性鎮痛効果とプラセボ効果は内因性疼痛調節システムを評価するための有用なモデルとして見直されている点や、プライマリケアにおいて医師が実施しているという結果などが明らかにされていた。そのことから、継続調査ではあるが、その後の研究結果を鑑みて質問項目の見直しを行った。また、医療倫理に依拠したいくつかの論考がみられた。論考では、プラセボ効果を引き出すことを治療として意図的に実施することは、患者のインフォームドコンセント取得の権利や自律性の権利を侵害し、医療への信頼を損なう可能性があることが示唆されていた。しかし実際の調査結果に基づくものではなかった。 日本における看護師とプラシーボ与薬という視点では、システマティックレビューが散見されたが、本研究のように看護師を調査対象とした新たな研究は見られなかった。海外の文献で、プラシーボという期待値をあげることにより効果が得られる介入について、看護師は患者のケアにおける文脈的要因の重要性を認識しており、プラシーボにおける看護師の役割を考える必要性が示唆されていた。日本では倫理に抵触するという視点が注目されがちであるが、これらの点についての設問も追加する必要があると示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務先の変更により、研究倫理の審査を再度受けた。2022年7月に倫理審査を申請し、2023年に承認され、現在調査の準備を進めている。 倫理審査の承認を受けて、2023年2月に調査対象の病院リストの作成を依頼した。リスト作成費の高騰により、3社に相見積もりを取り、個別に交渉するなどし、時間を要してしまった。現在、依頼業者が決定し、リストを作成してもらっている。 質問紙の印刷と郵送についても価格が高騰し、2社に見積もりを取り交渉した。現在は決定し、依頼中である。
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今後の研究の推進方策 |
病院看護師を対象とした全国調査は、5月中に質問紙を印刷し、5月下旬から6月初旬には郵送する予定である。質問紙の返信期間は7月下旬から8月初旬までとし、その後は結果のデータベースを作成し、分析を行う。 在宅看護師を対象とした調査は、今年度倫理審査を行い、2024年度に実施する予定としている。
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