研究課題/領域番号 |
22K10651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70326304)
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研究分担者 |
野戸 結花 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80250629)
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70455731)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 放射線 / 被ばく / スティグマ |
研究開始時の研究の概要 |
放射線に起因する心理社会的な影響については、放射線被ばくに関する社会的な偏見(以下、スティグマ)の存在が指摘されている。放射線被ばくのスティグマを受けている被災者の十分な理解に基づいた効果的なリスクコミュニケーションによる支援を行うために、本研究は、放射線被ばくによる不安や恐れの実態をスティグマの視点から明らかにし、原子力災害医療を担う看護師を対象とした、放射線被ばくのスティグマを受ける対象理解を促進する看護教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
福島第一原子力発電所事故では被災者に対する社会心理的課題が指摘されているが、放射線被ばくという背景によるスティグマによる問題は根深い。令和5年度は、主に災害によるメンタルヘルスを中心とした文献検討を行った。自然災害により生活が一変することで、さらに近親者などの人のみならず財産を喪失することで、被災者は多大なストレスを受ける。また生活再建にも大きな負荷がかかり、メンタルヘルスに影響することが知られている。原子力災害はそれに加え放射線被ばくという目に見えない影響が被災者のストレスとなり、被災体験からの立ち直りに障壁となっていることが指摘されている。放射線被ばくという偏見、差別的な反応は被災者への立ち直りに障害となっている一方で、新たな生活に踏み出している被災者もいる。放射線被ばくというスティグマにいかに立ち向かい生活再建を果たしてきたのか、その詳細については被災者個々の体験を明らかにしていく必要があり、被災者を対象とした調査を予定している。これについては、スティグマに関連した被災者の支援活動についても明らかにし、効果的な支援についても考察していく予定である。 福島第一原子力発電所事故後、放射線の専門家による介入により、被災者は放射線に関する知識を得、放射線との向き合い方を模索し、生活再建に踏み出している。放射線の知識はそのリスクを把握し向き合うためには不可欠と言える。スティグマの背景や原因については、原子力災害の被災体験のない対象に、原子力災害に対するリスク認知について調査することでスティグマを生む背景についてより詳細に明らかにしてく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家庭の事情(介護)により、自身が主担当である学部教育、大学院教育にエフォートを置いたため、研究活動が十分に行えなかった。そのため文献検討とデータ収集に向けてのフィールド探しが中心となってしまった。現在は、被災者の支援活動を行っている関係者とコンタクトを取り、被災者への面接調査に向けて準備をしている段階である。文献検討した結果についてまとめ発表等の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は令和5年度に引き続き、福島第一原子力発電所事故の被災者の支援活動を行っている関係者から、社会心理的影響、特にスティグマに関する課題についてヒアリングを行っていく。 加えて、被災者を紹介していただき、スティグマに関する体験についての面接調査を行うことを計画している。 原子力災害の被災体験のない対象に、原子力災害に対するリスク認知についての質問紙調査も実施し、スティグマを生む背景についても明らかにしてく予定である。
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