研究課題/領域番号 |
22K10655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
関 恵子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (40760393)
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研究分担者 |
杉本 吉恵 大阪公立大学, 看護学研究科, 教授 (40280185)
相原 ひろみ 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10342354)
西岡 靖貴 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (70609734)
伊丹 君和 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (30310626)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 看護師 / 看護学生 / 腰痛 / 筋疲労 / 腰痛緩和 / マッサージ / セラピーボール |
研究開始時の研究の概要 |
看護従事者は,重症, 寝たきりの高齢患者を受け持つことが多く,腰痛罹患者数は年々増加傾向にある.看護業務上発生する腰痛は,業務遂行能力の低下,離職,さらには,看護従事者自身の身体的・精神的・社会的・経済的問題を引き起こすため,生活の質を低下させる深刻な職業問題であるといえる. 本研究では,あん摩手技を用いた下肢マッサージを基盤とし,看護従事者を対象とした下肢筋肉を揉みほぐす看護マッサージの開発を行い,腰痛緩和効果について腰部脊柱起立筋への生理学的影響と主観的評価を用いて検証する.さらに,看護従事者の腰痛緩和のための看護マッサージを看護師が習得するための動画教育教材を考案する.
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研究実績の概要 |
高齢患者を受け持つことが多く,腰痛罹患者数は年々増加傾向にある.看護業務上発生する腰痛は,業務遂行能力の低下,離職,さらには,看護従事者自身の身体的・精神的・社会的・経済的問題を引き起こすため,生活の質を低下させる深刻な職業問題であるといえる.申請者は,これまでの研究で多くの看護従事者が既に腰痛を抱え,苦しみながら働いている現状を知り,腰痛治療で使用される徒手療法の1つであるあん摩手技を用いた下肢マッサージを考案し,腰部脊柱起立筋の血行促進および腰痛緩和効果が示唆される研究成果を得ている. そこで本研究では,あん摩手技を用いた下肢マッサージを基盤とし,看護従事者を対象とした下肢筋肉を揉みほぐす看護マッサージの開発を行い,腰痛緩和効果について腰部脊柱起立筋への生理学的影響と主観的評価を用いて検証する.さらに,看護従事者の腰痛緩和のための看護マッサージを看護師が習得するための 動画教育教材を考案する. 昨年の研究実施状況としては,看護師が実施可能な看護マッサー ジとしては,軽擦・圧迫法に加え,筋肉を揉み解す手技を取り入れたオイルを使用したオールハンドマッサージとセラピーボールを用いたマッサージ方法を考案し,看護学生を対象に介入研究結果を日本看護技術学会で発表を行った。他者施術であるが、セラピーボールを用いた下肢マッサージは手技がオールハンドマッサージより難しくなく容易にでき、セルフケアとして活用性が期待された。しかし、今後セルフケアに使用するためには、マッサージしやすいセラピーボールの改良などを検討する必要があり、研究チームで改良方法の検討を行っている。また、今年度は容易にできるセルフケアの新たな検討として、フットマッサージ機器を用いた腰痛緩和効果を腰部脊柱起立筋への生理学的影響と主観的評価を用いて検証した。研究結果は次年度報告をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師が実践可能な看護マッサージを考案していく中で、マッサージを行う看護師の確保や現場での腰痛緩和のための実現可能な取り組みを踏まえ検討を行う中で、腰痛緩和効果の期待できるセルフマッサージの在り方の検討に時間を要している。次年度も含め、セルフケアとして実施しやすい方法とその効果を検証し、より効果が期待される方法で臨床での効果検証ができるよう研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
セルフマッサージを含め、腰痛緩和につながるセルフケア方法について次年度、十分に検討を重ね、その効果を生理学的に影響を明らかにしていく必要がある。 また、本研究ではエコーを用いて腰背部の筋硬度を計測し、腰部負担状況を確認し、その変化も検証指標となると考えていた。しかし、プレテスト段階で、筋硬度を評価するエコーのエラストグラフィー機能が、今回の研究費ではコンプレッションタイプのものしか購入することができず、エラストグラフィーで計測する手技の習得ができたもの、センサーのカプラントのエコージェルで膨張することで使用時間による誤差が大きく、評価に活用することが難しいことが明らかとなった。今後、エコーを用いた評価としては、Bモードでの筋肉の厚みの計測を中心に予定しているが、筋肉の組織血液酸素モニターによる計測をメインにした場合、計測部位の機器の交換等、検証方法で再検討するべき点が多く確認された。エコーによる腰痛・腰部負担の評価を今後どのように実施できるのかについても次年度専門家の意見を聞きつつ、再検討を行う必要があることが確認された。
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