研究課題/領域番号 |
22K10673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
小林 幸恵 西九州大学, 看護学部, 教授 (20325062)
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研究分担者 |
古島 智恵 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00363440)
大坪 奈保 西九州大学, 看護学部, 講師 (20634926)
古賀 美紀 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (40325056)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 独居高齢者 / 孤独感 / セルフケア能力 / 高齢者 / セルフケア |
研究開始時の研究の概要 |
今日の日本では、地域社会のつながりの希薄化、一人暮らし高齢世帯の増加やコロナ禍による社会行動範囲の狭小化などによって、独居高齢者の孤立化が危惧される。しかし、日常生活を営むためには、疾患管理を含む自分自身をケアする能力(セルフケア)を維持しなければならない。これまでに高齢者において、孤独感と健康リスクは関連することが明らかになっているが、孤独感という主観的な指標からセルフケア支援を試みた報告は、見当たらなかった。本研究の目的は、高齢者の孤独感とセルフケアの関連に焦点を当て、孤独感への介入によるセルフケア支援プログラムの開発と効果検証、および普及に向けた専門機関用の教材作成を行うことである。
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研究実績の概要 |
①本課題に係るこれまでに継続していた研究(慢性疾患のある独居高齢者は、どのような経験をしながらセルフケアを維持しているのか、日常生活においてどのようなことが孤独感に至ると考えられるのかについて、内面世界の構造を明らかにすることを目的としたもの)の学術論文の投稿を行った。その結果、日本看護福祉学会誌に掲載された。慢性疾患のある独居高齢者10名に対し、半構造化面接を行い、修正版グラウンデッドセオリー・アプローチ(Modified Grounded Theory Approach;M-GTA)で分析した。結果、15の概念が生成され、6つのサブカテゴリーを経て最終的に3つのカテゴリーが導き出された。これらから、慢性疾患を抱えながら独居生活を継続するために、できる範囲での無理のない健康管理や、何かができない自分も受け入れて折り合いをつけながら日常生活を維持していた。また、孤独感はないとしつつも、孤独感に至りうる寂しさは抱いており、この両方の思いがその時々によって揺らぐことがわかった。しかし孤独感に至らずにすんでいるのは、独居とはいえ、支えてくれる家族や友人といった親しい人々との相互交流であり、これによってセルフケアが維持されているという内面世界が明らかになった。②本課題に係るこれまでに継続していた研究で得られたデータから、孤独感が心身に及ぼす影響について総説としてまとめ、西九州大学看護学部紀要に投稿し、掲載された。また、日本老年精神医学学会において、シンポジストとして研究成果を報告した。③全国調査を実施するため、学内の研究倫理委員会に諮り、承認された。現在、全国調査に向けた準備を行っており、R6年度に全国調査、データ回収を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画に沿って実行する予定であったが、新型コロナ感染症の影響があり、初年度から実施計画が予定通りに進まなかった。そのため今年度、初年度計画と合わせて実施を行う予定であったが、本務が多忙となったこともあり、調査の実施に至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
都道府県および市町村において、どのような孤独感対策を実施されているのかの全国調査を実施する。回収したデータを分析し、わが国における孤独感の行政支援の実態を明らかにする予定である。それを踏まえ、サンプルとして取り上げた市町の現状分析と、関わる専門職集団との検討を行う予定である。
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