研究課題/領域番号 |
22K10700
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
奥山 絢子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90452432)
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研究分担者 |
佐々木 美奈子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (00302670)
東 尚弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東京大学大学院医学系研究科, 教授 (10402851)
武村 雪絵 東京大学, 医学部附属病院, 看護部長 (70361467)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | がん / 看護 / 質指標 / リアルワールドデータ / 日常生活動作 / 診療報酬 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
がん看護の実態を把握することは、がん看護における課題やがん看護政策を検討するうえで重要である。診療情報等を活用することでがん看護の実態を把握する可能性が明らかとなった。これを踏まえ、本研究では、系統的文献調査で明らかとなった看護の質指標として重要な6要素34項目と患者アウトカムに貢献するがん看護のエビデンスに基づき、がん看護の質指標を同定すること、院内がん登録やDPC導入の影響評価に係る調査データといった既存の診療情報データベースを用いて指標の信頼性・妥当性、そして測定実施可能性を明らかにすること、更に、がん看護に関係する関係者らから指標についてコンセンサスを得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
研究2年目となる令和5年度は、がん患者指導管理料の算定について文献調査を行うとともに、国立がん研究センターからQI調査データ(院内がん登録とDPC導入の影響評価に係る調査データをリンケージしたデータ)の提供を受け、がん患者管理指導料の加算算定状況、及びがん患者へのリハビリテーション実施について分析する準備として、外科手術後の日常生活動作(ADL)の低下割合について年齢階級別に検討を行った。
1)がん患者指導管理料の算定に関する文献調査:先行研究を整理したところ、がん患者指導管理料の算定は患者のニーズだけでなく、医療従事者の連携体制が影響を与えている可能性が示唆された。現在結果を論文にまとめ投稿中である。 2)がん患者指導管理料の算定状況:QI調査データの分析の結果、がん患者指導管理料の(イ)を算定しているがん種は乳がんが多く、比較的がんが進行している患者や放射線治療、薬物療法を受けた患者で算定されていることが分かった。第36回ENRSの学術集会にて発表を行うとともに、現在論文にまとめ投稿中である。 3)外科手術後のADL低下割合:乳がん患者では75歳以上の高齢の患者と若い患者ともに低下割合は低いことが分かった(Okuyama A, et al.2023 European Journal of Surgical Oncology)。また、非小細胞肺がん患者では、75歳以上と40~64歳の患者における術後のADL低下割合の差は約3%であることが分かった(Okuyama A, et al. 2023 Annals of Surgival Oncology)。以上を踏まえ、現在がん患者指導管理料等についてさらに分析を進めるとともに、患者の症状を把握するための患者報告アウトカムの実臨床での実施について文献調査を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、データ分析を進めるとともに、分析した結果について学会発表および英文学術雑誌にて分析結果を報告した。また、データ分析と合わせて、先行研究の文献調査を進め、データを解釈するための情報を整理した。さらに、データを分析した結果について、共同研究者や臨床の看護スタッフらと意見交換を行い、今後のデータ分析や検討するべき事項についての整理を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、既存データベースを用いた、看護の実態把握についてさらに検討を進めるとともに、既存データだけでは現在捕捉することが難しい患者アウトカムについて実臨床での情報収集の可能性について、引き続き検討を進めていく。さらに、臨床現場の看護スタッフらととも意見交換を行い、ケアの質向上のために、捕捉するべき側面や現状について、引き続き検討を行う予定である。こうした検討をもとに、4~5年目にはステイクホルダーと利用できる既存情報を活用したがん看護の質指標の把握について検討を行う予定である。
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