研究課題/領域番号 |
22K10703
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
|
研究分担者 |
小林 牧子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90629651)
福重 真美 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (80865600)
松本 智晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (80540781)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 飛沫感染予防 / ウエアラブルマイク / コミュニケーション / 飛沫感染予防策 / マスク |
研究開始時の研究の概要 |
マスクを着用すると音声の音圧レベルが低下することから、意識的に大声で話したり、聞き間違いが生じる。本研究では、超薄型のPZT圧電膜マイクを開発し、マスクに直接貼った場合やマスクを着用した状態でも使用可能な咽喉マイクとしての有効性を検証する。本研究の成果は、コミュニケーション時の飛沫感染予防対策に寄与できるだけなく、音声による生体機能評価にも応用できる可能性が高い。
|
研究実績の概要 |
本研究でPZT圧電膜マイクの共振周波数は基板寸法に大きく依存する。これまでに100~10,000Hzの可聴周波数領域に共振周波数をもつサイズの金属基板に、圧電膜の膜厚、基板材質、基盤寸法をパラメータとして作成したPZT圧電膜マイクの性能評価として、市販のピンマイク及び咽頭マイクとの比較を行った。また、PZT圧電膜マイクの咽頭マイクの可能性についても検証した。 PZT圧電膜マイク、市販のピンマイク並びに市販の咽頭マイクを装着し、VCV音節を音読し、その音声を録音した。録音した音声を音節ごとの音声に切り分け、音圧レベルを揃えた後、成人男性10名を対象に、VCV音声をランダムに再生し、聞こえてきたVCV音節がどのような音に聞こえたかを調査した。その結果、市販の咽頭マイクに比較してPZT圧電膜マイクの方が高い正答率を示した一方で、市販のピンマイクに比較して、PZT圧電膜マイクは軟口蓋破裂音に分類される「aga」、「aka」の正答率が著しく低下していた。VCVスペクトラムの結果から、第2、第3フォルマント帯の周波数の音が受信できておらず、その部分に特徴がある軟口蓋破裂音が認識できていないことが推測された。基板サイズの長さを変化させることにより可聴域音の周波数帯で共振する可能性が考えられることから、更なる改良を行う予定である。 また、PZT圧電膜マイクの咽頭マイクの可能性についても検証した。マイク装着部位として、咽頭付近とマスクフレームへの装着について比較した結果、マスクフレーム装着の方が音声認識率が高く、市販のピンマイクに近い音声認識の結果が得られたことから、装着部位については、マスクフレームとすることで、更なる検証を続ける予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の2023年どの計画は、PZT圧電膜マイクの評価として、ICレコーダーに有線で接続したPZT圧電膜マイク、 市販の咽喉マイク、マイクなしでの音声解析から、高い音声感度 を得るためのPZT圧電膜の基板面積を確定する予定にしていた。それに加え、市販のピンマイクを加えたことで、より詳細にPZT圧電膜マイクの評価ができ、基板面積の確定に近づいていることから、おおむね順調と考えた。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の有限要素法によるシミュレーションによる検討により示された基板サイズのPZT圧電膜マイクを作製し、その評価を行う。加えて、マスク着用時でも円滑な会話の実現に向け、イヤホン等の情報出力手段との連動を検討し、PZT圧電膜マイクのワイヤレス化を図る。
|