研究課題/領域番号 |
22K10722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
井村 弥生 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (30369714)
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研究分担者 |
赤澤 千春 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (70324689)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | リスクテイキング / 看護師 / 与薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、与薬における看護師のリスクテイキング行動の判定ツールの開発である。与薬場面での潜在的危機が存在する状況(映像)を、個人がどのように事象を捉えるのか、どのような状況でリスクテイキング行動をとるのか、与薬場面での行動にどのように関連しているのか実験検証を行う事で、判定基準が設ける。臨床での与薬における看護師のRTBと、与薬場面の行動選択の関連検証を段階的に研究を進めていき3年間で実施する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、与薬における看護師のリスクテイキング行動(RTB)の判定ツールの開発である。与薬における医療事故はいまだ多くその中に看護師個人のRTBによる事故を見受ける。与薬での潜在的危機が存在する状況を、個人がどのように事象を捉えるのか、どのような状況でリスクテイキング行動(RTB)をとるのか、与薬場面での行動にどのように関連しているのか実験検証を行う事で、判定基準が設ける。すでに与薬における看護師のリスクテイキング行動の質問紙の開発の研究を遂行し2022年度完成した。 今後この質問紙の結果と与薬場面を想起したシステム中での行動との関連を実験検証することで、RTBの判定基準を設けることが可能となり、判定ツールの開発ができる。臨床での与薬における看護師のRTB(アンケート調査結果)と、与薬場面でのRTBの要因が含まれる行動選択の検証を段階的に進めていき3年間で実施予定である。実施計画は3段階で実施計画を立てている。第1段階は与薬時のRTB状況と実験システムの開発(2022年)、第2段階はRTBと医療安全行動の関連の検証・プレ実験(2022年)、第3段階はRTBと医療安全行動の関連の検証・本実験と論文作成(2023・2024年)の予定である。研究初年度として、実験の準備を行っているが、実験システムの開発に時間を要している。また原油高などの影響を受け、測定機器の価格変更が昨年行われた。予算予算内での使用機材に関する変更が現在生じており、有効に効果的な実験開始時期への準備を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在の研究の進捗状況(2022年度)は、研究の初年度のステップ1を進行している。与薬時のRTB場面のシナリオと判断システムの作成を行った。既に作成している『与薬における看護師のリスクテイキング行動の質問紙』の構成概念に応じたRTBの状況とRTBが判断できるシステムが、現在2システムの作成がほぼ終了する。この後プレテスト、その後、システムの修正を行う。実験に使用するシステムはRTBの先行研究で行われたLejuez et alの BARTを参考に開発した。概要は対象者の操作により画面上のバルーンを膨らませ得点を獲得できるものである。実施は複数回行っていただき獲得得点をできるだけ多く獲得するようにする。しかし、バルーンはある程度まで拡大すると破裂し獲得得点がなくなるというシステムとした。これにより研究参加者が、ハイリスク・ハイリターンの影響をどのように対応するのか明らかになる。看護の場面では、時間的圧迫や人的環境の影響を受けることが示唆されるため、新たにこの2点付加し与薬場面の6Rの確認のタイミングを付加した。この点は新規性のある内容で、システムの開発までほぼ終了している。今後この点を付加した状況でどのような行動するのか、評価ができるものを作成まで終了している。簡単なプレテストは行っており個人の傾向性が読み取れるデータ確認が取れた。現在までの進捗状況としては、当初の予定より遅れが生じている。その原因として2点を挙げる。1点目として、RTBを測定するためのシステム開発に時間を要した点を報告する。エクセル上のマクロシステムの開発に時間を要した。2点目は視線解析のため必要な測定機器の価格が、原油や資材などの価格高騰および変更の影響を受け、申請当時の価格より大幅に上昇したため、取得困難に陥っている。機器の種類の変更とデータの取得内容の再検討を行っており、ある程度目処ができてている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進行については、看護場面(RTBの構成4因子【状況・意図的・確認技術・生活安全行動】)の2場面についてのシステムがほぼ完成している。今後、研究協力者の与薬時での行動及び対応が選択できるシステムを7月を目処にプレ実験を行う予定である。実験は作成した画面上にある与薬のRTB行為を選択するのか、与薬業務の中でRTBを行えば、加点が取れる仕組みである(確認省略・時間短縮など)。場面として多重業務の実施や、時間的圧迫の条件を想起した条件を付加する。そのような中でハイリスク・ハイリターンの状況を選択することがリスクテイキング行動を再現できるようシステムの開発へと進む。作成した実験原案は、オブザーバーの医療安全管理者による内容妥当性の検討を2023年9月を目処にプレ実験開始予定である。依頼先の内諾は得ている。その後、第2段階のRTBと医療安全行動の関連の検証・プレ実験(2023年)全国の300床以上を有する総合病院にて看護職10名程度を対象に質問紙調査と実験を2023年12月までに実施する。その後修正などを行い本テストを2024年3月までに実施して結果を出す予定である。 分析方法:データを取得を2024年5月を目指す。統計分析を行い、質問紙の結果よりリスクテイキング行動の傾向の高低により、対照者を2群に分け、シナリオ映像の視聴時の視線映像(Tobiiグラス使用)により、RTBの認識部位・注視時間の比較、獲得合計点およびRTBと認識した理由の記述内容の比較を行い、群間のリスクテイキング行動との関連の検証を行う。与薬場面の観察・評価:リスクテイキング行動の認知(眼球運動測定装置)・回避行動のタイミング(行動記録映像)・実験終了後の自由記述調査より、評価・修正の実施を行いながら進める。今後は遅れが生じている2点について、円滑に進むように努力を行う。
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