研究課題/領域番号 |
22K10723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
中岡 亜希子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (60353041)
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研究分担者 |
矢山 壮 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (30584552)
手嶌 大喜 関西医科大学, 看護学部, 助教 (30880611)
内海 桃絵 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40585973)
小林 麻衣 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (60847151)
井上 満代 兵庫医科大学, 看護学部, 准教授 (70803667)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 臨床指導者 / 臨地実習 / メンタリング / 看護学生 / 臨地実習指導者 / 教員 / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実習指導者のためのメンタリング教育プログラムを開発し、その効果の検証行う。メンタリングは実習指導者自身にも自己の認識や専門職者として発達をもたらすため、メンタリングを学んだ看護師が増えるとメンタリング文化が定着した職場が実現する。日本では、実習指導者に対する十分な教育が行われておらず、メンタリングの概念も浸透していない。そこで本研究では、メンタリングの研究の先進国であるフィンランドを中心に進められているメンターシップに関するEUプロジェクトのメンタリング能力の理論的枠組みを基に、我が国で強化すべき内容を盛り込んだ教育プログラムを日本の看護分野に導入する。
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研究実績の概要 |
本研究に関連した共同研究として、9施設14名の臨地実習指導者(以下、指導者)へのインタビュー調査で明らかになった指導者が抱えるメンタリング上の困難感及び、メンタリング上で工夫している実践についてNvivo ver.12を使用し分析した。その結果、指導者は<学生の個別性に合わせた対応>など [学生の学びにつながる伝え方]や、<学生の考えを尊重することに対するジレンマ>などを抱えながらどのように [学生の考えを尊重した指導]をすればよいのか指導方法に苦慮していた。また、[実習に対するレディネスの低さに対する対応]にも苦慮し、[看護過程を通した実習の支援]の難しさを認識していた。さらに、[時間的な制約がある中での指導]において、[望むような指導者役割を果たすこと]ができないと感じていた。実習指導上の工夫として、指導者は[目標指向で学生中心の指導]となるように配慮し、学生の[内省を促し、やる気を引き出す関わり]をしていた。そして、[受持ち患者と実習場所に気を配り][人的、物理的な実習環境の整備]を行っていた。 また、本研究の前段階の研究で実施した日本語版MCI(Mentors' Competence Instrument in Clinical Mnetoring of Nursing Student)を用いた調査について、倫理審査の追加申請を行い、25施設285名の回答者の結果について、共分散構造分析を用いて、因子間の構造を解析した結果、MCIを開発した北欧での研究結果と類似した構造が最もフィットすることが明らかになった。 以上の結果を踏まえて、今後、具体的なメンタリングプログラム開発に向けて、フィンランドで開発されたメンタリングの教育プログラム内容を活用しつつ、日本独自のプログラム内容を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本における臨地実習指導者のメンタリングプログラム開発に向けて、国内の臨地実習指導者の実態を丁寧に明らかにした上で、取り組む必要があるという見解に至り、これまでの研究の再分析や文献検討等に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
日本における臨地実習指導者のメンタリングの構造と北欧での研究結果の構造が類似していたことが明らかになった。そのため、今後、メンタリングのプログラム構成を北欧のプログラムを基盤にし、我が国の臨地実習指導者らの弱点を補完するための具体的な検討を進める予定である。プログラム案が作成できた後に、当初より予定していたエキスパートパネルを実施し、内容を洗練させ、実現可能なものであることを確認する。 その後、臨地実習指導者のメンタリングプログラムを用いた介入へと進める予定である。
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