研究課題/領域番号 |
22K10735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
矢野 亜紀子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (50909281)
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研究分担者 |
福田 広美 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (00347709)
荒木 章裕 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (30805718)
村嶋 幸代 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (60123204)
姫野 雄太 大分県立看護科学大学, 看護学部, 学内講師 (90909277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中小規模病院 / 看護管理行動 / 看護管理者 / チームワーク / 職務満足 / 看護管理能力 / 看護管理 |
研究開始時の研究の概要 |
地域包括ケアシステムが推進される中、地域医療を支える中小規模病院における看護管理向上は急務である。本研究は、中小規模病院の看護管理者の管理行動が看護の質と定着に及ぼす効果予測モデルを開発する。全国の中小規模病院のトップマネージャー、ミドルマネージャー、スタッフ看護師の3階層を対象とする調査データをもとに、トップマネージャーの看護管理行動が、ミドルマネージャー、スタッフ看護師の看護管理行動に及ぼす影響と、さらに組織が提供する看護の質と定着に及ぼす影響を解明し、効果予測モデルとして提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、中小規模病院の看護管理者の看護管理行動が看護の質と定着に及ぼす効果予測モデルを開発することである。全国のトップマネージャー(看護部長ら、以下TM)、ミドルマネージャー(看護師長ら、以下MM)、スタッフ看護師(役職を持たない看護師、以下SN)の3階層を対象とする調査データをもとに、TMの看護管理行動が、MMの看護管理行動に及ぼす影響と、さらに組織が提供する看護の質との定着に及ぼ影響を明らかにすることである。 初年度に実施したデータ解析の結果、TM、MMの看護管理行動と、SNのチームワーク、職務満足、勤続意向の関連は限定的であることが分かった。 そこで研究2年目となる令和5年度は、再解析の結果、TMの看護管理行動が「地域看護ネットワークへの参加」「認定看護管理者研修終了レベル」に影響を受けることが確認され、論文として発表した(10研究発表、雑誌論文)。この論文は査読を経て「看護科学研究誌」に掲載された。またSNのチームワークと職務満足は、病院規模の影響を受けることが確認された。この結果については、令和6年9月に開催される日本看護学会学術集会での報告を予定している(採択済)。
また研究代表者は、当初計画していたインタビュー調査の代替として、中小規模病院のTM、MMを対象とする支援事業の集合型研修に定期的に同席し、発言を記録した。初年度より通算8回の研修に同席した。8回分の記録より、中小規模病院ならではのTM、MMが抱える看護管理課題、SNが置かれた職場環境、意識などについて、十分なデータを得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、インタビュー調査をもとに尺度を開発し、全国規模の質問紙調査を実施する予定であったが、インタビュー調査の代替として、集合研修の観察調査を実施した。観察はインタビュー調査よりも1回で得られる情報量が限られるため、複数回の研修に参加する必要があり、期間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究および集合型研修の観察調査結果より、TM、MMの看護管理行動およびSNの看護管理行動については、既存の尺度により対応可能と判断した。 また集合型研修におけるTM、MMらの発言を通じて、中小規模病院においては、様々な事情を抱えた多様な人材にとって働きやすい職場環境を構築し、それぞれの特性を活かしながら育成することが、看護の質向上および定着に欠かせない状況があることから、従来の看護管理行動だけでなく、多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)に対する知識や認識、行動を調査項目に加えた質問紙調査の計画を現在立案中である。 調査実施後は、速やかに解析を行い、モデル構築を目指したい。また研究結果については、英文での論文化を検討している。
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