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県産タデアイ抽出成分配合の清拭剤によるタオルの細菌増殖抑制と皮膚清潔への効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K10736
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関弘前医療福祉大学

研究代表者

渡部 菜穂子  弘前医療福祉大学, 保健学部, 講師 (30550842)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード県産タデアイ / 清拭タオル / 抗菌効果 / 清拭剤 / 細菌増殖抑制 / 清拭効果
研究開始時の研究の概要

病院内で清拭に使用する綿タオルにはセレウス菌が付着していることがあり、免疫力の低下した患者の血流感染の原因になっている。感染予防対策としてディスポーザブルタオルを用いる病院もあるが、使用感やコストの問題もあり、細菌増殖抑制方法等別の方法も検討する必要がある。
本研究の目的は、清拭タオルの細菌増殖を抑制する手段として、青森県産のタデアイから抽出される抗菌・坑ウイルス成分トリプタンスリンを配合した清拭剤を作製し、効果を検証することである。清拭剤を含んだ水でタオルを湿らせて清拭すれば、タオルの細菌増殖抑制のみならず、皮膚に付着した病原菌にも効果を発揮し、清拭の効果を高められると考える。

研究実績の概要

本研究の目的は、抗菌効果があるとされる県産タデアイ抽出成分を含んだ清拭剤を開発し、タオルの細菌増殖を抑制しつつ皮膚を清潔に保つことで、清拭タオルに起因した感染症のリスクを軽減させることである。
令和5年度は前年度に全国の医療機関を対象に実施した清拭タオルの使用に関する実態調査について結果をまとめた。168施設(回収率21.0%)から回答を得た結果、綿タオルのみ使用している施設が53施設(31.5%)、ディスポーザブルタオルと併用が51施設(30.4%)、ディスポーザブルタオルのみ使用が64施設(38.1%)であり、2014年に「感染予防の観点から、再生綿タオルは安全な清拭素材ではない」という研究報告があった以降も、併用を合わせると約半数の施設が綿タオルを使用していることがわかった。ディスポーザブルタオルを採用している理由では「感染予防」や「看護師の使いやすさ」が多かった。一方、綿タオルを採用している理由として最も多いのは「患者の心地よさ」だった。感染予防と患者の心地よさの両方を可能にする清拭タオルを考えるためには、綿タオルの細菌汚染の予防、もしくはディスポーザブルタオルの安楽性を高めることが必要であることが示唆された。
また、理化学研究所バイオリソース研究センターより入手した4種のセレウス菌株を一定条件のもと培養し、熱耐性の評価から芽胞を形成する株、形成しない株の2種を選定した上で、タデアイ抽出成分の抗菌効果を確認した。その結果、80℃、20分の加温によって検出限界値以下となるセレウス菌株の場合、成分濃度10%で菌の減少率約80%、成分濃度1%で90%だった。ただし、加温しても35%程度の菌が検出される株の場合、抽出成分の濃度に関わらず菌の減少は見られなかった。タデアイ抽出成分は、セレウス菌の栄養細胞に対する抗菌効果はあるが、芽胞に対する効果は認められないことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

タデアイ抽出成分の抗菌効果について、清拭剤として用いるためには、セレウス菌のみならず他の病原性細菌や、皮膚の常在菌への影響についても確認する必要がある。また、HaCaT細胞などを用いて実験を行う中で、タデアイ抽出成分の濃度と細胞傷害性の関連も確認する必要が出てきた。そのため、当初の計画では2023年度に清拭剤の製作や健常者への試験を行う予定であったが、安全性等の確認のためにも、より詳細な実験を重ねる必要があることがわかったため。

今後の研究の推進方策

タオルの細菌汚染を抑制し、なおかつ皮膚に対する安全性の高い清拭剤を作製するために、タデアイ抽出成分の抗菌効果に関する実験と、清拭の対象である患者の皮膚に対する影響を考えるためのin vitroな実験を丁寧に重ね、エビデンスを構築していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 前腕の清拭による綿タオルへのセレウス菌付着,時間経過と菌の増殖2023

    • 著者名/発表者名
      渡部菜穂子、戸沼由紀、尾崎真理、石沢幸恵、鎌田洋輔、中根明夫
    • 雑誌名

      日本看護科学会誌

      巻: 43 号: 0 ページ: 270-279

    • DOI

      10.5630/jans.43.270

    • ISSN
      0287-5330, 2185-8888
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 国内医療施設における清拭タオルの使用・管理に関する実態調査2023

    • 著者名/発表者名
      渡部菜穂子
    • 学会等名
      第54回日本看護学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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