研究課題/領域番号 |
22K10745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
中井 三智子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (60726503)
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研究分担者 |
野正 佳余 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 脳神経内科, その他 (50817731)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 難病ケア / 難病医療に携わるコーディネーター / 職務実践 / 連携推進 / コーディネーター / 役割遂行能力 / 臨床判断 / 実践知 / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
難病患者の支援において、多専門職種の連携を推進しケアの継続性を図るためには、看護専門職者が担う調整‐コーディネートの役割が重要である。本研究は、難病患者のケアに関わる熟練看護職者の実践活動を分析し、難病患者の病状や療養環境の変化を考慮しつつケアの継続性を維持するための調整‐コーディネートにおける臨床判断と実践の過程に内在する知識を明らかにすることである。それを基に難病ケアの調整‐コーディネートにおける臨床判断を導く知を構築するための教育プログラムを開発し、難病支援に関わる看護職者をはじめ、医療・福祉の専門職者の実践能力向上に資することができると考える。
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研究実績の概要 |
2022年度は難病医療に携わるコーディネーターの職務実践の構造を明らかにすることを目的に、実践経験を有する者を対象に半構造化面接を行った。コーディネーターの職務実践として『地域で療養生活を継続できる支援体制を作る』、『地域の難病支援の課題を難病医療ネットワークで共有し、解決する仕組みを作る』、『難病患者の主体的な意思決定を支える』、『多職種間の連携・協働を促進する』、『コーディネーターとしての目的と役割を認識して行動する』、『実践の質向上のため自己研鑽や専門職種間の話し合いの機会を持つ』の6つのカテゴリーを生成した。また個々の難病患者と専門職種への支援によりケアの継続性を目指す実践、多専門職種の連携・協働を推進するための実践、制度や医療提供体制の課題を抽出し解決システムの創設につなげる包括的な実践の3つのレベルがあり、それぞれの間で相互作用と循環の構造があった。2年目となる2023年度は、新たに難病医療に携わるコーディネーター5名を対象に職務実践に関する半構造化面接を行った。コーディネーターは難病患者が療養する地域の医療・福祉資源が活用できるよう調整を図るだけではなく、地域で継続したケアを受けながらその人らしく過ごし、あるいは最期まで過ごせるよう直接的に患者や家族とかかわりを続ける場合があった。活動拠点以外の場での活動や、療養支援や意思決定支援、就労支援など活動内容が多岐にわたっていた。コーディネーターは、難病療養者が必要としているが「ほかに担う人がいない」支援活動を、自身の専門資格の範囲において担っており、それがコーディネーターの役割であると自認してまた「必要な支援を提供する人やシステムがない」ことの気づきは、地域の課題として捉え医療・福祉・保健担当者との課題共有や人材育成活動へとつなげるところが、卓越したコーディネーターの実践活動として捉えられると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度に収集したデータの分析を進め、先に抽出した内容と比較検討を行いつつ、カテゴリーの修正や再編を行っている。またスペンサーらが示したコンピテンシーモデルを参考に、難病医療に関わるコーディネーターの実践能力について「達成とアクション」、「思考と問題解決」、「支援と人的サービス」、「対人影響力」、「マネジメント能力」、「認知力」の各項目に該当する実践活動を整理している。
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今後の研究の推進方策 |
今後難病医療に携わるコーディネーターの卓越した行動特性についてモデル作成を行い、妥当性の検討を行ったうえで教育プログラムを計画していく予定である。
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