研究課題/領域番号 |
22K10749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
高瀬 美由紀 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50437521)
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研究分担者 |
佐藤 陽子 広島大学, 病院(医), 主任看護師長 (10782584)
山本 雅子 安田女子大学, 看護学部, 教授 (30325378)
木佐貫 尚美 安田女子大学, 看護学部, 講師 (40880406)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 転倒転落 / 医療事故 / テキストマイニング / 医療機関 / 看護師 / 意思決定過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,効果的な転倒・転落防止策を探求するために、以下の3つを調査する。まず初めに,看護師を対象とした質問紙調査や面接調査を行い,①看護師が,どのように患者の特性や患者を取り巻く環境,患者が受ける治療内容,及び看護提供体制等から,患者の転倒・転落リスクを認識し,個々の患者に適した転倒・転落防止策を判断し介入しているのかの過程を明らかにする。次に上記調査を通して,②看護師が転倒・転落防止策を実施する際に直面する介入阻害因子と促進因子を明らかにする。最後に,病棟単位の実態調査を通して,③看護師による転倒・転落防止介入と転倒率の関係を検証し,看護判断・介入の効果を明らかにする。
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研究実績の概要 |
医療機関で発生した転倒転落事故の内,看護師が関与した事故の要因を探求するために,2016~2020年度に医療事故等情報収集事業に報告された医療事故及びヒヤリ・ハット事例(以下,事故とする)の中から,看護師が事故の当事者であり,事故内容が転倒転落に関する4176事例を抽出し,その要因を分析した。分析にはテキストマイニングを活用した。その結果,看護師の責任下で発生した転倒転落事故の要因は,患者要因,看護師要因,環境要因,そして複合要因からなる16クラスターに分類された。患者要因には<筋力・認知機能低下><バランス崩壊><睡眠薬の使用><抗精神病薬の使用>,看護師要因には<看護計画不備><現状認識不足><患者家族への依存と教育不足>,そして環境要因には<濡れた滑りやすい床>が含まれた。また患者・看護師の複合要因として,<患者・看護師双方によるADL能力理解不足><患者による転倒しやすい履物の着用とそれに対する看護師の指導不足><患者による移動補助具の不適切な使用とそれに対する看護師の指導不足><患者によるナースコール不使用とそれに対する看護師の指導不足><離床したい患者と離床を阻止したい看護師の介入が招くリスク:ベッド柵等の使用><離床したい患者と離床を阻止したい看護師の介入が招くリスク:離床センサーの使用>が抽出された。そして,患者・看護師・環境の複合要因として<ポータブルトイレを1人で使用したい患者心理と看護師によるトイレ設置判断と方法,及びトイレの構造的問題>,患者・環境の複合要因として<患者による着座時の不注意と身体を支え切れない椅子の構造>が抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の計画は,①転倒・転落事故の研究動向や問題点を更に深く探求するために,文献検討を行う事,②医療事故情報収集等事業データに基づいて,どのような要因が転倒転落事故に関与しているのかを探求する事,そして③次年度の研究計画書を作成する事であった。①に関しては200件近い論文を精読した。②に関しては、データ分析が終わり,学会・論文発表まで終了した。③に関しては,研究計画書の作成が終了し,現在,倫理審査委員会の審査結果を待っている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,看護師が用いる転倒リスクの評価基準を明らかにするとともに,看護師間での評価基準の違いの有無やその影響因子を明らかにすることを目的に研究を実施する。
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