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長期療養施設で高齢者ケアを提供する看護・介護職の倫理問題へのアプローチ方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K10750
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関第一薬科大学

研究代表者

中尾 久子  第一薬科大学, 看護学部, 教授 (80164127)

研究分担者 潮 みゆき  福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (40622113)
金岡 麻希  宮崎大学, 医学部, 准教授 (50507796)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード長期療養施設 / 高齢者ケア / 倫理的問題 / 強み(ストレングス) / 看護職 / 介護職 / 高齢者 / 道徳的問題 / 強み / アプローチ方法
研究開始時の研究の概要

長期療養施設で医療・介護を受ける高齢者は複数の疾患、障害、認知症を有していることが多く、ケアには個別性と倫理性が必要とされる。看護職・介護職の倫理的問題の捉え方と対処の特性、倫理的ケア検討の機会や検討される問題、看護・介護に共通する倫理的問題の捉え方と対処、医療・介護を受ける高齢者の強み(ストレングス)の視点と問題事例への意見、問題状況へのアプロ―チ方法について段階的に明らかにする。

研究実績の概要

看護・介護を提供する長期療養施設に入院・入居する日常生活に支援が必要な高齢者が増加している。高齢者は身体・心理・社会的に加齢変化が加わるため、心身の虚弱、認知症状、意思表示困難などの特性があり、日常のケアや医療における意思決定時の説明や確認の不足、自由な行動をとどめる抑制等の高齢者の尊厳が損なわれる倫理的問題が生じていると考えられる。しかし、長期療養施設は種類や数が多く、対象者の実態は捉えにくい現状がある。また、高齢者施設で高齢者の支援を行うスタッフの倫理的問題の捉え方についても職種や経験などの属性で違いがある可能性がある。本研究では、高齢者の倫理的問題を捉え、その対応に関して高齢者の強みを活かした支援を通してQOLの向上、倫理的ケアを検討したいと考える。
令和5年度は、長期療養施設で高齢者ケアを提供する看護・介護職の倫理的問題へのアプローチについての解説および看護職のとらえる高齢者のストレングスに関する総説論文を公表した。看護職のとらえる高齢者のストレングスについては、個人のストレングスとして、意志、身体能力、知識や技術、柔軟さなど、環境のストレングスでは、社会関係、資産、安心な環境、活動・憩いの場等があり、個人のストレングスと環境のストレングスが相互に関係していると考えられた。事例にみる高齢者のストレングスでは、問題状況に対応する医療・ケアを考える過程で、意欲、身体能力、性格や人柄、過去の職業や趣味などの強みが見出され、状況の振り返りを通して対応策をチームで実践することで良い結果を得ることができていた。高齢者ケアでは、高齢者の言動や小さな反応を見過ごさず、高齢者を「力を持った存在」として考える視点が必要と考えられた。
また、令和5年度の後半以降、長期療養施設の看護職・介護職を対象とした面接調査を開始しており、そのデータを逐語録に起こして質的なデータ分析を開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに長期療養施設で高齢者ケアを提供する看護・介護職の倫理的問題へのアプローチについて解説をまとめ、高齢者のストレングスに関して文献検討を進めて、研究班員間で高齢者のストレングスに関する知見を共有し、総説論文として公表できた。面接調査においても、様々な背景の対象者がいるため、面接開始時や終了後に振り返りを行い、研究班員で情報共有しながらより良い調査研究をめざして研究遂行を進めている。面接調査は施設側の承諾を得られた施設の看護職・介護職を対象に順次行っており、今後も引き続き進める予定である。

今後の研究の推進方策

研究計画に沿って、長期療養施設に入院・入居する日常生活に支援が必要な高齢者をケアする看護職・介護職の面接調査を継続する。現在までに研究協力が得られた施設の対象者に面接調査を進めているが、施設の事情で断られることもあり、今後も継続的に施設に研究協力を依頼する。既に得られたデータに関しては逐語録におこし、質的にデータ分析を開始している。情報管理に注意しながら研究班員間でデータ分析・検討を進めている。この結果をもとに、看護職・介護職の倫理的問題へのアプローチについて検討を進めたいと考えている。以上の過程で得られた成果は関連する国内外の学会などで公表を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)

  • [雑誌論文] 看護職がとらえる高齢者のストレングスに関する文献検討2024

    • 著者名/発表者名
      中尾久子、金岡麻希、潮みゆき、佐藤宜子、山本弘恵
    • 雑誌名

      第一薬科大学研究年報

      巻: 40 ページ: 95-113

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 長期療養施設で高齢者ケアを提供する看護・介護職の倫理的問題へのアプローチ2023

    • 著者名/発表者名
      中尾 久子
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 25(10) ページ: 55-57

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 長期療養施設で高齢者ケアを提供する看護・介護職の倫理的問題へのアプローチ 高齢者のストレングス(強み)の視点をケアにつなぐ2023

    • 著者名/発表者名
      中尾久子
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 25(13) ページ: 43-47

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 看護職・介護職がとらえる高齢者の倫理的問題に関する文献検討2023

    • 著者名/発表者名
      中尾 久子、潮 みゆき、金岡 麻希、木下 由美子
    • 雑誌名

      第一薬科大学研究年報

      巻: 39 ページ: 75-87

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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