研究課題/領域番号 |
22K10757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
鈴木 美代子 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30558888)
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研究分担者 |
小向 敦子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (10882029)
三浦 奈都子 (小山奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40347191)
藤澤 望 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60807048)
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (80305268)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 看護研究 / 臨床看護師 / 研究支援 / 中小規模病院 / 支援プログラムの開発 / 地域の中小規模病院 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会の進展に加え、疾病構造の変化や医療の高度進展に伴い、社会の看護職への期待が高まる中、看護専門職は対象者にケアの効果が最大限に発揮できるよう、継続的に看護研究と看護実践を循環させながら看護の質向上を図っていくことが必要である。地域の中小規模病院では看護研究の必要性を認識しながらも、マンパワー不足から継続的な看護研究の遂行に困難をきたしている課題が指摘されている。 そこで本研究では、地域の中小規模病院で働く看護職の研究支援に関するニーズと課題を明らかにし、看護職の研究・実践能力の育成と看護の質向上を目指す継続的かつ循環的な看護研究支援のプログラムを開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の第1段階として,2022年度は地域の医療機関における看護研究の実態と研究支援に関するニーズ・課題を明らかにする目的で,A県内の全医療機関を対象に横断的質問紙調査を実施した.2023年度は,結果を取りまとめその分析を行った. 結果,A県内の全医療機関(98施設)のうち,33施設から研究への同意が得られ,このうち看護管理者または教育担当者122人(回収率71.3%)と,看護職420人(回収率40.3%)から回答が得られた. 看護研究の実態として,看護管理者・教育担当者の9割が研究指導を行った経験があり,その立場は,病棟護師長や主任,看護研究の教育担当者,倫理・研究委員会など(組織)の立場が多く,行っている指導は,「研究課題やテーマの決定」,「結果のまとめ」,「研究計画書の書き方」であった.このうち,指導で難しいと感じる内容として,「データの分析方法」,「研究課題やテーマの決定」,「結果のまとめ・考察」が多く挙げられた.一方の看護職は,約7割が職場で看護研究を行った経験があり,研究代表者や共同研究者,継続研究として実施していた.研究者の選定方法は,上司が決めているが約6割と多く,次いで,勤務経験や毎年順番で多く決めていた.研究を行っての満足度は,「満足である」が約6割であったが,今後の研究活動については,約8割が「行いたいと思わない」と回答した.研究サポートは,9割が受けており,指導者は,病棟護師長や主任や職場の先輩からが多く,サポートへの満足度では,7割が満足であったが,約3割が満足ではなかったと回答していた.求めるサポートとして,データの分析方法が最も高く,次いで結果のまとめ・考察の順にニーズが高かく,指導者と研究者の両者において,データの分析や結果のまとめ・考察への研究サポートのニーズが高いことが明らかになった. 今後は、質的な記述データについて詳細に分析を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,1年目となる2022年に第1段階として,A県内の医療機関に横断的調査を行い看護研究に関する課題や研究支援へのニーズを明らかにする予定であった. しかし,新型コロナ感染症による医療現場の状況を考慮して年度末の実施となったことで,回収期間を長く設定し,年度をまたいての調査となり,当初予定していた計画より遅れてのスタートとなった.そのため,データ収集と分析作業にも遅延が生じ,現在までに量的データについて分析を終了したところである.今後は,記述データについて,質的な分析を進め,中小規模病院における課題やニーズを明らかにする.
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今後の研究の推進方策 |
自由記述の分析をとおして実態が明らかになることで,本研究の成果について,看護系学会での発表,もしくは地域の医療機関へ成果を公表し,情報提供をしていく. また,データに不足があれば医療機関の背景をふまえたインタビュー調査や,対象者を増やした追加調査を検討し,信頼性・一般化できるデータの確保を目指す.同時に現在実施している研究指導や研修会をとおして,今後の研究支援に向けたネットワークづくりと有効な研究支援のあり方について意見交換をしながら検討を続けていく.
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