研究課題/領域番号 |
22K10765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
大黒 理惠 秀明大学, 看護学部, 准教授 (70510345)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 熟練看護師 / 転倒予防 / 移動の見守り / 目のつけどころ / 経験知 |
研究開始時の研究の概要 |
入院患者の転倒は転倒後の患者のQOL低下につながるため、患者の安全と安楽と自立のバランスを整えながら、転倒予防策を講じることが重要である。 本研究は、入院患者の転倒予防策の一つである移動の見守りに焦点をあてる。患者の安全と安楽と自立のバランスを整えながら、患者のQOLを保つことを目指した転倒に関する危険予知の経験知を反映した熟練看護師の“目のつけどころ” を、熟練看護師の思考過程と眼球運動から明らかにするために予備調査と本実験を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、患者の安全と安楽と自立のバランスを整えながら、患者のQOLを保つことを目指した転倒に関する危険予知の経験知を反映した熟練看護師の“目のつけどころ”を、熟練看護師の思考過程と眼球運動から明らかにするために予備調査と本実験を行う。患者の安全と安楽と自立のバランスを整えながら講じる転倒予防策の一つである移動の見守りに焦点をあてた。 令和5年1月6日~3月31日まで実施した予備調査では490部(回収率34.4%)が返送された。490名の認知症認定看護師の看護師経験年数は21.5年±7.6年、認定看護師年数は4.8年±3.1年であった。認知症認定看護師が転出先に必ず伝える情報、転入元から必ず得る情報の上位5項目はいずれも、年齢、現病歴、麻痺、移動手段、コミュニケーションの状況であった。移動の見守り援助前の患者の状態で常に重視すると回答した割合が90%以上だった項目は、ふらつきの有無、立位の安定性、歩行の安定性、座位からの立ち上がり動作の安定性、歩き始めの安定性、麻痺の状態、尿意や便意が気になって落ち着かないの7項目だった。移動の見守り援助中に必ず観察すると回答した割合が90%以上だった項目は、座位からの立ち上がり動作の安定性、立位の安定性、歩行の安定性、歩き始めの安定性、立位時の姿勢、ふらつきの有無・程度、歩行時の姿勢、膝折れの有無の8項目だった。予備調査の結果は本看護研究学会第50回学術集会で成果発表する予定である。 予備調査により得た認知症認定看護師の転出先に必ず伝える情報や転入元から必ず得る情報、移動の見守り援助前に重視する患者の状態をもとに本実験の患者設定や課題場面の構成を検討した。また、移動の見守り援助時に観察している内容をもとに認知症認定看護師の観察視点を整理し、眼球運動を分析する際に注視項目を検討した。実験方法を試行しながら、実験計画を立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の計画は、予備調査の結果を整理し、得られた結果から患者設定や課題場面の構成、実験課題の提示方法を検討し、課題場面の撮影を行うこととした。予備調査の結果を活かしながら、患者設定や課題場面の構成、実験環境を検討し、さらに実験方法も試行し、本調査の計画を立案した。また、認知症認定看護師の移動見守り時の観察視点を明らかにし、本調査時の分析視点への活用方法を検討した。 課題場面の撮影は行えなかったため当初の計画よりやや遅れているが、令和6年度前半に撮影する目途を立てており、現在のところ、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年度に決定した患者設定や課題場面について、撮影を行い、実験課題を作成する。その後、高齢者への看護の経験を有する臨床経験年数10 年以上の看護師を対象に本実験を実施する予定である。
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