研究課題/領域番号 |
22K10767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田中 千尋 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00755952)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
土元 哲平 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(PD) (10897622)
吉田 さとみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (90634634)
下條 三和 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90586299)
坂本 貴子 佐賀大学, 医学部, 講師 (90758426)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 看護教員の力量形成 / 複線経路等至性アプローチ / イマジネーション / 複線径路等至性アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,過去に受けた教育・経験,現在のしがらみに囚われず,未来像から逆算して看護教育ができる人材を育てるプログラム開発を目指している。そのために①国内外の文献調査により課題を明確にし,複線径路等至性アプローチ(以下;TEA)を分析手法に用い看護教員の力量形成プロセスを解明②さらにその分岐点をイマジネーションループモデルで解明し,③社会・文化的側面も含めた看護教員の力量形成プログラムを開発する。TEAは記号論的文化心理学に依拠しており,看護教員の複線的で多様な力量形成のあり様を,社会や文化の影響を含めた時間経過のなかで解明する点が本研究の独創的な点である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、過去に受けた教育・経験,現在のしがらみに囚われず、未来像から逆算して看護教育ができる人材を育てるプログラムを開発することである。そのために理論的探究①として、国内外の看護教員の力量形成に関する文献調査により課題の明確化に努めた。わが国における看護教員の資質・力量形成に関する文献調査の結果から、人格的側面も含めた力量形成に着目する重要性をふまえ新任期から連続した継続教育のしくみをどのように考え、充実させていくべきか検討していく必要性が示唆された。 さらに、数年に及ぶCOVID-19危機と対峙する看護教員の力量形成プロセスに着目し経験の可視化に努めた。そしてその経験において重要と考えられる分岐点に着目し、看護教員がどのようなイマジネーションの助けを借りて新たな次元を見出しているか明らかにした。今年度は4名の看護教員に研究協力を依頼し、インタビューを実施することができた。 大阪で開催されたTEAと質的探究学会第1回大会ワークショップでは、対象理解のツールとしてTEAの発展可能性について議論を深め、看護実践におけるTEAの可能性を確認することができた。教員自身が自己の教育実践を可視化し、未来像から逆算して自分自身の成長を考える上でTEAは一つのツールとなりうることを確認した。特に、CIVID-19のような危機に直面し、力量形成プロセスにおける分岐点をイマジネーションループモデルで分析することは、未来の複数の選択肢を探り、選択されなかった選択肢であっても未来への希望の可視化が期待でき、未来像から逆算して看護教育ができる人材を育てるプログラムを開発において重要な視点であることを確認した。引き続きヤーン・ヴァルシナーの記号論的文化心理学とTEAの関係性を整理しながら理論的精緻化に努めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的探究①国内外の看護教員の力量形成に関する文献調査については概ね順調に推進してきたが、理論的精緻化②イマジネーション理論の精緻化についてはやや遅れている状況である。本研究におけるイマジネーション理論は、Zittoun (2016)の理論に拠る。翻訳された文献が少ないことから、洋書をの選書に時間を要している。引き続きヤーン・ヴァルシナーの記号論的文化心理学とTEAの関係性について学びながら、TEAとイマジネーションの融合について検討していく必要がある。 データ収集については、特に2022年度上半期において対面でのインタビュー実施が困難であったことからやや遅れている。特にTEM図作成後のインタビューは、対面で行うことが望ましいことから次年度は積極的にデータ収集を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
理論的精緻化②イマジネーション理論の精緻化とTEAとイマジネーションの融合について看護学以外の研究分担者と協力し、理論背景を理解しながら研究を深め,質的研究全般にわたる最新かつ国際的な情報や示唆を得ながら研究を深めていく。さらにTEAとイマジネーションの融合による分岐点の解明では、対面でのデータ収集を積極的に進めていく。
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