研究課題/領域番号 |
22K10772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
片山 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (60295772)
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研究分担者 |
松澤 洋子 東都大学, ヒューマンケア学部, 教授 (00333980)
徳重 あつ子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (30555644)
川原 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90835472)
福森 崇貴 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (50453402)
谷津 裕子 宮城大学, 看護学群, 教授 (90339771)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | involvement / compassion / compassion fatigue / compassion satisfaction / Compassion / Involvement / Stress Coping / Compassion Fatigue / Compassion Satisfaction |
研究開始時の研究の概要 |
看護師は、病気による不安を抱えた患者に対峙する専門職であり、看護援助の中で患者へ強く感情移入することによりストレスを持ち、精神的な疲労を感じる場面が多い。本研究は、患者の感情に触れ、Involvement(巻き込まれて関与)しながら看護実践を行う看護師が、Compassion Fatigue共感疲労)を防ぎ、適度なInvolvement状態の維持を可能にするストレスへの対処(ストレスコーピング方法)を探求するものである。
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研究実績の概要 |
本研究の第1研究の目的としている「看護師のInvolvemenとCompassionとの関連性を明らかにする」ための基礎として、用語の定義の検討と看護師のInvolvementとCompassion の測定を可能にするための既存の尺度についての検討を行った。Compassionについては、当初の計画通りに福森らが開発した尺度「ProQOL日本語版(ProQOL-JN)の使用することとした。Involvementの尺度については、最初に「情緒的巻き込まれ」というキーワードで既存の尺度を検討した。「情緒的巻き込まれ」の概念は、対象者に起こっている現象と自分自身の心理的境界があいまいな状況となり自分のこととして感じ関わってしまうということであるとするならば、看護師の臨床におけるInvolvementは、援助者として巻き込まれて関与することによって本来の援助の必要性を見出すという見地からすると心理的な境界があいまいな状態ということを前提にした「情緒的な巻き込まれ」を測定する尺度では、「過剰な巻きこまれ」の程度を測定するのみになるのではないかと考えた。そのことから考えると「適度な巻き込まれ」を測定するにはどのような方法があるかを検討する必要がある。また、牧野らにより看護師を特定したInvolvementの尺度も開発されているが、本研究では、その尺度に加えて適度なInvolvementの基準が必要になりその測定をどのようにしていくかを考える必要が生じている。 現時点では、この研究におけるInvolvementの概念をどのように考えるか、そして看護師が患者の援助の必要性を見出すのに必要な「適度な巻き込まれ」を測定する尺度が既存のものであるか、新たに研究者が尺度開発を行う可能性を含めて検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定として、今年度は12月までに第1研究のアンケート調査用紙作成のための文献検討と、第2研究のインタビューガイドを作成することを計画していた。第1研究の質問紙の構成の検討にあたってInvolvementの調査をすでに作成されている質問紙を用いることを考え、文献検討を進めていった。その結果、Involvementの尺度には職業に対するコミットメントの内容を含むものや精神科や心理学領域で言われているEmotional Involvementの尺度などいくつか作成されているが、本研究でのベナーの概念に基づいたInvolvementの尺度として用いることに適合しているかに疑念が生じ、さらに文献の検討を進めた。その結果、看護師のInvolvementを測定する既存の尺度を見つけ、その尺度を使用して調査を行うのか、本研究の目指す概念と一致していない場合、調査研究に入る前に尺度を研究者で作成するのかの検討をする必要が生じているため、アンケート調査に進むことができなかった。そのため1月から行う予定であった第1研究、それと同時に進行する第2研究の実施までに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、2023年1月から調査の実施を行う予定であったことから4か月の遅れが生じている。しかし、アンケート調査の内容の検討には現段階で不十分で本調査の実施にすぐに取り掛かれない状況である。今後は、9月頃までにアンケート調査内容の目途をつけ10月からアンケート調査に入ることができるように研究を進めていく。また遅れが生じている日程については、調査期間の短縮を検討し、遅れを取り戻すことができるように研究計画の修正を行いながら研究を推進するものとする。
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