研究課題/領域番号 |
22K10782
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩波 由美子 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (30284178)
|
研究分担者 |
宮下 美香 京都大学, 医学研究科, 教授 (60347424)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 放射線療法 / 認知機能障害 / 前立腺がん / 縦断調査 / 前立腺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療の有害事象である認知機能障害は、複数の関連因子が指摘されている。その一つである倦怠感は、放射線療法により生じることがあるが、同時に複数の症状を伴うため、症状の全体像を捉える事が難しい。本研究の目的は、前立腺癌の根治放射線療法を受ける高齢者の認知機能障害に対する倦怠感、睡眠障害、抑うつ症状、尿路系障害の関連を明らかにする事である。縦断的研究デザインを用い、質問紙調査(量的研究)、面接調査(質的研究)を実施する。倦怠感を媒介変数とし、パス解析により認知機能障害の関連因子を明らかにする。質的研究を併せて実施し、量的研究の結果を補完し、説明することにより、全体像を的確に把握することを目指す。
|
研究実績の概要 |
広島大学倫理審査委員会において、疫学研究実施許可を得た上で、2023年2月13日より対象者選定・データ収集を開始した。 前立腺がんの根治放射線療法は、2か月の長期間に及ぶため、倦怠感、不安、抑うつ、睡眠障害が増強する可能性がある。これらは認知機能障害の要因となるため、前立腺局所への根治放射線治療において、認知機能障害か生じる可能性が推察される。研究対象者に対し、これを前提として、今回の研究で放射線療法を受ける患者の認知機能への影響と全体像を明らかにすることにより、今後の課題とその解決に向けた具体的な支援を導くことを目的としていることを説明し、81名から研究協力への同意を得た。103名からのデータ収集を予定しており、約80%の研究協力者を確保できている。 1名につき3回のアンケート調査予定であり、現時点で243件のアンケートを回収している。また、面接調査に関しては、放射線療法終了時に行うこととしており、研究協力者のうち放射線治療を終了した13名に協力を依頼し、面接調査への協力承諾を得た。アンケート調査・面接調査から得られたデータは、外部へのデータ漏洩を防止するため、インターネットに接続していないパソコンを購入し、データは匿名化して入力・管理している。 面接調査からは、放射線療法期間における認知機能の変化は、患者自身は認識していなかった。倦怠感については、生活に支障をきたすレベルには至らないが、軽度の倦怠感増強を認識されていた。原因として、長時間の通院、頻尿による夜間覚醒などの身体的要因と、毎日の排尿・排便コントロールのストレスなどの心理的要因が挙げられた。 アンケート調査については、予定数のデータ収集が終了した後、統計専用ソフトを活用しての分析予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会審査申請書類作成に時間を要し、初年度末に申請が承諾され、実施許可が得られた。2022年2月からのデータ収集開始と、スケジュールが遅延した。しかし、以後1年間で順調に研究協力者が得られており、予定数の80%程度のアンケート収集を終了している。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き研究対象者を選考し、アンケート調査を継続する。またアンケート調査結果による検討結果を補完するための、インタビュー調査対象者を募り、データ収集を行う。 次年度は収集したデータをもとに、数的・質的統計を行い、前立腺がんに対する根治放射線治療を行う患者の認知機能の変化とその要因・関連因子を明らかにしていく。
|