研究課題/領域番号 |
22K10812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
鈴木 由依子 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (40881983)
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研究分担者 |
須釜 淳子 藤田医科大学, 保健衛生学部, 教授 (00203307)
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 前集合リンパ管 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
シンプルリンパドレナージ(SLD:simple lymphatic drainage)は、乳がん術後患者のリンパ浮腫に対して、リンパ液貯留を防ぐ目的で行われている。しかし、その手技は、手術後のリンパ流の変化を考慮しておらず、患者が全身を長時間かけてマッサージするため、患者負担が大きくケアの継続が困難となっている。そこで本研究では、迂回路の形成を促進する効果的なSLD法を確立するための基礎研究として、ラットにおけるリンパ流遮断後のリンパ迂回路の形成過程の組織学的特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、乳がん手術に伴うリンパ節郭清により変化したリンパ経路に沿った組織学的根拠に基づく簡易リンパドレナージの確立、および迂回路の形成を促すSLD法の開発を目指している。本研究の目的である、リンパ経路遮断後に生じるリンパ経路(迂回路)の組織学的な特徴を捉え、元々存在するリンパ管網との関連を明らかにし、ラットにおける迂回路の形成過程を明らかにすることは、今後リンパ浮腫患者のセルフケアを確立するために必要だと考えられる。リンパ節郭清後のリンパ経路の変化を予測することができれば、術後に余剰リンパを誘導する経路を推測できる可能性がある。 現在は、これまでの研究室に加え、自身の所属機関でも実験が行えるように環境整えている。これまでに、実験動物飼育のための準備、リンパ流遮断手術、インドシアニングリーン(ICG)を用いた赤外線カメラ下のリンパ管観察、エバンスブルー(EB)投与による肉眼的なリンパ管観察を行うことが可能となり、今後は切片の作成と組織染色ができるように環境を整える予定である。 これまでに、正常なリンパ管を持つ雄ラット(Slc:wistar)における皮下・皮内へICGとEB投与を行い、前肢、後肢、腹部、背部の前集合リンパ管網の形状を一部観察した。側腹の集合リンパ管と傍正中を走行するリンパ管において、それらを交通するリンパ管の存在が確認された。また、3匹の正常なリンパ経路を持つラットについて免疫染色による組織学的な観察を行った。3匹のラットで鼠経リンパ節・膝下リンパ節郭清、大腿リンパ管結紮を含む周囲のリンパ管結紮を行い下肢に一時的な浮腫を作成し、ICGとEBを用いて下肢リンパ流遮断後に形成される迂回路を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでにラットの前集合リンパ管網の観察をICGとEBを用いて観察した。観察範囲が限られているため、全体的なリンパ管網の把握には至っていない状況である。また、3匹のラットについて組織学的な観察を行ったが、染色が不十分であった。今後匹数を増やして観察する予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、3匹のラットの前集合リンパ管の走行を免疫染色によって観察した。今後は、組織学的な観察例を増やし、正常な前集合リンパ管網の観察を継続する予定である。特に、正中を横断する前集合リンパ管網について、観察をおこなう。迂回路については、3匹のラットでICGとEBを用いて一部経路を観察した。今後は正常なリンパ管と迂回路を比較し、前集合リンパ管と集合リンパ管のつながりについて観察を継続する予定である。
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