研究課題/領域番号 |
22K10814
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
内田 恵 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00569254)
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研究分担者 |
樅野 香苗 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40335592)
明智 龍男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80281682)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 終末期せん妄 / 緩和ケア / せん妄 / がん患者の遺族 / 死別 / 精神心理的負担 / がん / 精神腫瘍学 |
研究開始時の研究の概要 |
終末期のがん患者の家族と医療者が提供されている治療やケアに対して評価を行い、満たされていない治療やケアを提供する。更に家族に対してスマートフォンを介して終末期の心身の症状に関する情報提供や終末期の心身の苦痛に対して鎮静を検討された場合にはそれに関する情報提供を行い、家族の意思決定支援を行う。加えて医療者と家族のコニュニケーションを促し、精神心理的サポートも提供する。介入3ヶ月後に家族に精神心理的サポートのニードを確認し、ニードのある家族に対しては3回の電話もしくはオンラインによるサポートを行う。上記介入により死別前後の家族の精神心理的苦痛を軽減することができるかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は死別前にがん患者の家族の苦痛を軽減するための介入を行い、死別後もスマートフォンを介して家族との接触を継続し家族のニードに応じて精神心理的支援を提供すると、死別前後の家族の精神心理的負担を軽減することができるかを明らかにすることである。 対象は、名古屋市立大学病院緩和ケアチーム、精神科リエゾンコンサルテーションチーム、せん妄認知症ケアチームに紹介となった終末期がん患者の家族とする。 方法は、依頼時に本研究の概要について研究者あるいは研究助手がタブレットPCによるビデオ動画を用いた説明を行い同意を得る。その後、スマートフォン向けのコンテンツの操作方法の説明を行った後、スマートフォンを用いた自記式質問票と背景情報について入力を依頼する。入力後、医療者もタブレットPCで終末期せん妄による苦痛を評価し、双方の評価で不十分であった治療やケアについては改善する。加えてチェックリストを用いて医療者は家族と話し合い、精神心理的サポートを提供する。心身の苦痛に対して鎮静を検討された場合にはそれに関する情報提供を行う。介入後1週間以内に家族にスマートフォンを用いて自己評価式質問票の回答を依頼する。介入3ヶ月後に家族の精神心理的サポートのニードを確認し、ニードのある家族には電話やメールによるサポートを行う。介入3ヶ月後と半年後に遺族にスマートフォンを介して自己評価式質問票の回答を依頼する。更に同意が得られれば、行った介入と精神心理的サポートへのニードに関する質的インタビューへの回答を依頼する。 必要症例数は、行研究よりTDDSの平均値は34.2点、標準偏差は6.7点、TDDSの平均値が10%異なる時にその差が有意であると考え、t検定においてα値=0.05、β値=0.2とすると必要サンプル数は各群約70名である。介入1週間後の脱落率を10%と考え、必要症例数は約160名とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はまずスマートフォン向けのコンテンツについて検討をした。終末期の心身の症状に関する説明に関しては緩和ケアチーム内でその内容について検討を開始した。終末期の苦痛を軽減するための鎮静に関する説明については、先行研究でそのコミュニケーションスタイルについてすでに検討済みで、それに基づいて情報提供するためのビデオのシナリオの作成に着手した。各評価尺度に関してはほぼ内容が定まった。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度はタブレットPC向けのコンテンツ(①研究の説明のためのビデオ、②介入前後に評価する終末期せん妄による苦痛の評価尺度、③医療者向けの満たされていない終末期の心身の症状への治療やケアへの介入例)の作成を目指す。加えてプロトコール論文の作成に着手する。 R6年度にはランダム化比較試験を開始。 R7年度前半までに半年間のフォローアップを終え、R7年度後半に解析・論文化を行う。
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