研究課題/領域番号 |
22K10818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 札幌保健医療大学 |
研究代表者 |
加藤 剛寿 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (00756421)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 食事療法 / ツール / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病患者の急増が社会問題であり、治療の基本である食事療法が重要であるが継続は難しい。日本糖尿病学会は食品交換表の活用を推奨しているが、食品交換表は「1食の食事」ではなく「1つの食品」ベースでの食事療法ツールでありイメージしづらい。こうした中、腸内細菌叢の組成の変化が糖代謝に関与している報告がある。 そこで、本研究では健康型の腸内細菌叢解析から探索する「1食の食事メニュー」からなる「食事療法ツール」の開発を目的とした。 具体的には、健康型の腸内細菌叢を有する健常者の食事をもとに「食事メニューブック」を開発する。本ツールは食事療法の継続の支援につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は健康型の腸内細菌叢解析から探索する2型糖尿病患者版「食事療法ツール」を開発することである。 第1段階では、40歳以上65歳未満の健常者(非糖尿病患者)71名から参加協力が得られ、食事調査、採便により得られた便の腸内細菌叢解析、腸内細菌叢組成の変動要因である運動、食習慣、ストレス、居住地、国籍等の調査を行った。平均年齢は50.1±6.9歳、HbA1c値の検査結果は5.2±0.2%であった。食事調査結果については、エネルギー摂取量1737±142kcal、たんぱく質比13.9±0.3%、脂質比26.2±1.1%、炭水化物比59.9±1.4%、野菜類摂取量273.7±57.3g、食物繊維摂取量14.6±2.4g、食塩摂取量9.5±0.7gであった。 腸内細菌叢解析では、多様度指数であるshannon、chao1等を行い、健康型の腸内細菌叢を有する者を30名選定した。(1)食事のスタイルによる分類では、「外食、中食(お店の弁当・惣菜)、自宅で料理の複合」タイプが16名、「自宅で手料理・手作り弁当が多め」タイプが11名、「自宅で手料理・手作り弁当が少なめ」タイプが3名であった。(2)食品摂取頻度では、「コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶・ルイボスティー」、「乳酸菌飲料」、「野菜ジュース・青汁」、「お酒」、「栄養補助食品」、「ヨーグルト」、「パン」、「シリアル」、「バナナ」、「菓子」を各々よく摂取する傾向がありこれらに分類できた。(3)食事時間による分類では、「間食あり」、「1日2食の日あり」、「夕食時間が早い」の3タイプに分類できた。 次の第2段階では、第1段階で得られた健康型の腸内細菌叢を有する健常者の食事実態を明らかにした上で、食事療法ツールを考案した。 現在進行中の第3段階では、2型糖尿病患者50名以上の参加協力が得られ、現在、本ツールの有効性の検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1段階の40歳以上65歳未満の健常者(非糖尿病患者)を対象とした調査が終了し、腸内細菌叢解析、食事調査の解析を実施した。その後、この解析結果に基づき、第2段階である健康型の腸内細菌叢解析から探索する2型糖尿病患者版「食事療法ツール」を考案した。 さらに、現在、第3段階である2型糖尿病患者への「食事療法ツール」活用の検証の段階へ移行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、最終段階の第3段階を実施中である。第3段階である2型糖尿病患者(研究協力者)の調査が終了した後、2型糖尿病患者における本ツールの有効性(身体面、心理面)を明らかにしていく予定である。
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