研究課題/領域番号 |
22K10819
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 岩手保健医療大学 |
研究代表者 |
長南 幸恵 岩手保健医療大学, 看護学部, 准教授 (00648032)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | 自閉スペクトラム症 / 感覚 / 行動 / 就労 / 困難 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム障害のある人には、感覚の過敏や鈍麻がある。ASDのある幼児においては、感覚特性と関連する不適切な行動や集団生活への不適応が示唆されている。しかし、成人では感覚特性と関する生活のしにくさおよび就労への影響の実態は明らかではない。また、感覚における神経学特性も明らかになっていない。 本研究は、自閉スペクトラム障害のある成人が感覚特性と関連する生活のしにくさおよび就労への影響の実態を明らかにし、さらに感覚面における神経学的特性の解明を目指す。 本研究の成果は、自閉スペクトラム障害のある成人が感覚特性と関連する生活のしにくさおよび就労への影響を低減する方略や環境調整の提案に寄与できる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ASDのある成人の感覚特性と生活のしにくさとの関連を明らかにすることを目的としている。初年度は、思春期に関する知見の薄さと成人期への連続的な支援の観点からASDのある思春期の人の感覚特性を解明する調査を進めた。 ASDの支援は、学童期までが主流であり、思春期以降の支援は未整備である。幼児期の先行研究では、感覚特性が集団生活へも影響していることが明らかだったことから、思春期の感覚特性を明らかにする必要性が生じた。 感覚特性のうち、行動との関連が視覚的に把握しやすい触覚に焦点を絞り調査を進めている。触覚の中でも触覚過敏や鈍麻などの行動して観察可能な行動との関連が深い触質感について条件統制下での認知や行動を調査することにした。調査内容は、触質感の主観的評価および視知覚と触質感との一致、文字や図形の図形の触覚なぞり運動である。触なぞり運動は、12歳でほぼ成人と同様の水準に達するとの知見から年齢を12歳以上に設定した。本研究に関する先行研究が見当たらず、基準データが不足していることから同年齢の定型発達者も比較対照としてデータ収集を行った。 現時点では、ASD被験者には、定型発達者には見られない視知覚と触知覚の不一致や触なぞり運動の誤答があるものが存在していたことから、神経学的特異性が疑われた。しかし、定型発達被験者数に比し、ASD被験者が少ないため更なるデータ収集が必要である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ASDのある思春期の人および同年齢の定型発達者の触覚特性と行動に関するデータ収集を行い、定型発達被験者は想定数に達した。ASD被験者数が不足しているため、追加データ収集が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
ASDの思春期の感覚特性と行動を明らかにすることは、発達の連続性の観点から成人期の感覚特性の保持や生活のしにくさとを検討する基盤となるため、ASD被験者のデータを追加収集し、学会誌への論文発表あるいは投稿を行う。2023年度は、所属機関異動に伴い、研究費配分も変更となったため、データ収集や分析方法の変更、研究フィールドの新規開拓を行い、青年・成人期にあるASDへのインタビュー調査の倫理申請を進める予定である。
|