研究課題/領域番号 |
22K10821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
樋野 恵子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30550892)
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研究分担者 |
青木 きよ子 順天堂大学, 大学院医療看護学研究科, 名誉教授 (50212361)
高谷 真由美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (30269378)
長瀬 雅子 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (90338765)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 慢性呼吸器疾患患者 / リレーショナル・オートノミー / アドバンス・ケア・プランニング / 継続的支援 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疾患を持つ人の余命期間を推定することは困難であり、これまでエンド・オブ・ライフにおけるQOLの低下が課題とされてきた。本研究は、慢性呼吸器疾患患者の診断から臨死期までのアドバンス・ケア・プランニングの過程において、リレーショナル・オートノミー(関係的自律)に基づいた、継続的な患者支援モデルを構築することを目的とする。 この取り組みにより、慢性呼吸器疾患を持つ人が最期まで自分らしく生きるための、日本独自の家族関係や意思決定に関わる社会的・文化的特徴を踏まえた、継続的な支援が可能となると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、慢性呼吸器疾患患者の診断から臨死期までのアドバンス・ケア・プランニングの過程において、リレーショナル・オートノミーに基づいた継続的な患者支援モデルを構築することである。 わが国では急速な高齢化により、高齢者の介護を高齢者が行う老老介護が社会問題のひとつとなっている。本研究の対象者である慢性呼吸器疾患を持つ患者も高齢者が多くを占めており、今年度は患者の療養生活を支える介護者に焦点を当てた。mMRCスケールやSF-8、BIC-11など国際的に広く使用されている質問票を用いて調査した結果を分析し、介護者自身の健康状況や介護負担感など在宅呼吸ケアの現状を明らかにした。介護者自身のADLは、医療介入が必要とされるレベルである人が半数以上を占めており、患者のみならず介護者の健康状態の把握も重要であることを示唆する状況であった。また、介護者の健康関連QOLは、身体的健康・精神的健康とも国民標準値より低値であり、特に精神的健康は低い状態であった。さらに、介護者の介護負担感は、時間的負担感が最も高く、サービス関連負担感が最も低かった。今回の分析で明らかとなった介護者の状況や介護上の課題をもとに、患者のみならず介護者自身の人生を支える方略を導き出し、よりよい医療環境の整備に繋いでいきたいと考えた。この研究成果を医学系学術講演会にて報告した。 他に、これまでの研究で得られた知見を反映し書籍を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究当初の計画では、令和5年度は自己決定志向の強くない日本文化に近いACP構造を持つとされるカナダにおいて、ACP実践者を対象にした聞き取り調査を実施する予定であった。しかし、未だCOVID-19の影響が継続していたため海外渡航が難しく、計画を一部修正し研究を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
研究初年度より取り組んでいる概念分析の完了を目指す。その結果をもとにインタビューガイドを作成する。カナダでの聞き取り調査において、ACP実践における現状と課題を明確にし、作成したインタビューガイドの内容を再検討する。ブラッシュアップしたインタビューガイドに沿って、患者・看護師へのインタビュー調査を実施する。
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