研究課題/領域番号 |
22K10822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
沖村 愛子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (20907688)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 訪問看護 / がん疼痛 / 教育 / がん疼痛マネジメント / 訪問看護師 / 教育プログラム / がん看護 / 症状マネジメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、訪問看護師のがん症状マネジメント教育プログラムを開発し、その有効性を検討することを目的とする。日本人の多くは終末期の療養場所として在宅を希望するが、実際の死亡場所の8割以上が病院という現状がある。自宅療養するがん患者の症状緩和が不十分であることは、在宅看取りに至らない要因の1つである。在宅療養中のがん患者が安楽に過ごすため、訪問看護師は、患者・家族に必要な教育内容を焦点化し効率よく支援する実践能力を獲得することが不可欠である。そこで、本研究ではがん症状マネジメントの基本的知識と在宅がん看護を専門とする看護師の看護実践場面の動画を取り入れた教育プログラムを開発し、その効果を検討する。
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研究実績の概要 |
昨年度の文献検討の結果から、近年の訪問看護師のがん疼痛に関する知識や態度・自信、看護実践の現状と、プログラムに重点的に含める内容の検討が必要であったため、がん疼痛マネジメント(CPM)の実態調査と学習ニーズに関するインタビュー調査を行った。 実態調査の協力施設は30事業所(6.7%)で、対象者134名のうち有効回答85名(63.4%)を分析対象とした。その結果、がん疼痛、オピオイドに関する知識得点は、先行研究結果と比べ改善傾向にあり、回答者の8割以上がCPMに積極的に参加したいとした一方で、約85%がCPMの知識、技術ともに自信がないことが明らかとなった。自信と関連のある項目として、知識テスト正解率・看護実践頻度との間には正の相関、CPMの阻害要因の影響度との間には負の相関があった。また、がん疼痛に関する研修受講歴のある群は知識正解率が高く、がん疼痛の薬物療法に関するガイドラインを知っている/活用していると回答した群は、知識テスト正解率・自信スコア・看護実践頻度が高かった。学習形態や教材については、オンデマンド型の動画やテキスト教材を用いた学習ニーズが高かった。よって、ガイドラインに基づいた知識習得だけでなく、訪問看護師が自信をもってCPMが出来るよう、CPMの阻害要因や困難への対処法を含むオンデマンド型教育プログラム提供の必要性が示唆された。 訪問看護師14名へのインタビュー調査の結果、痛みの観察に関する知識、がん疼痛に関する情報の解釈とその後の判断過程、がんの痛みに関するセルフケアのための指導・説明、疼痛マネジメントに関するコミュニケーション、がん疼痛のある患者への日常生活援助方法、マネジメント変更時の多職種連携の流れについて学習ニーズがあることが明らかとなった。 今後は学習ニードとして抽出された具体的な看護実践場面をシナリオに含めたプログラム開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に加えてがん疼痛マネジメントに関する看護実践の現状把握のための横断調査を実施したこと、インタビュー調査のリクルートに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度にプログラム開発とその実現可能性の検証を行う。プログラム実施時期や評価時期によっては本科研を延長することも視野に入れて検討する。
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