研究課題/領域番号 |
22K10857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東京情報大学 (2023) 東邦大学 (2022) |
研究代表者 |
山内 英樹 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (60751154)
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研究分担者 |
成澤 明 東邦大学, 看護学部, 准教授 (80710061)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ICU看護師 / 道徳的苦悩 / Moral Distress / 混合研究法 / エンパワーメント |
研究開始時の研究の概要 |
道徳的苦悩(Moral Distress)は、ICU看護師が倫理的意思決定に基づいた患者ケアを実施することができない時に生じる。このような状況は、個人の内面に否定的な感情を抱かせることとなり精神的に疲弊し、やがて休職や離職に追い込まれる。さらに、人員不足は看護の質低下をもたらし、組織は人材確保・育成が新たな課題となり、ひいては社会保障制度の基盤である我が国の医療体制を維持する上で大きな問題となる。そこで、本研究では、ICU看護師の道徳的苦悩への対処能力を高めるためのエンパワーメントプログラムの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ICU看護師の道徳的苦悩への対処能力を高めるためのエンパワーメントプログラムの開発である。2023年度研究は、2022年度に引き続き、ICU看護師が抱く道徳エンパワーメントプログラムいて、質的にデータを再検討し、エンパワメントプログラムの策定について検討した。 プログラムについては、道徳的苦悩を抱いたICU看護師のプロセスをふまえた支援体制や適切な支援時期を考慮する必要があった。カテゴリーにおける≪苛まれる心残りなケア≫に至る過程では、看護師個人の看護観と相反するさまざまな制約による葛藤した状況から道徳的苦悩が生じると推察された。道徳的苦悩への対処方略として【波風立てない看護師】、【踏みとどまる看護師】、【離職に向かう看護師】の3つの特徴が明らかとなった。特に【踏みとどまる看護師】は、道徳的苦悩を自己の成長につながるポジティブな機会として捉えていた。また【離職に向かう看護師】では支援体制が不足している可能性が推察された。以上の分析結果から、道徳的苦悩を抱くICU看護師のメンタルヘルス支援は、道徳的苦悩の経験の共有や組織的なサポート体制、外部資源の活用などもふくめた内容とし、2024年度にプログラムの策定、実施・評価を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ICU看護師を対象とした研究であり、コロナ禍の影響を加味したWebによる介入プログラムのの策定に時間を要しているものの、研究の全体計画としてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の分析結果から、ICU看護師の対処行動の特徴をふまえたプログラムを策定し、実施ならびに評価をしていく予定である。さらに、学会発表した2演題について論文投稿を予定している。
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